eコラム「北斗七星」
- 2014.12.12
- 情勢/社会
公明新聞:2014年12月12日(金)付
剣豪・宮本武蔵の「勝負に懸ける執念」の凄まじさを、かつてNHKが「その時歴史が動いた」で検証したことがある。その一例として紹介されたのが、歴史に名を残す巌流島の決闘だった◆戦いは"秘剣燕返し"の遣い手である佐々木小次郎に、宮本武蔵が挑んだものだった。普通の刀の刃が2尺3寸(約70センチ)に対し小次郎の刃は3尺(約90センチ)あったことから、小次郎の剣は"物干し竿"と呼ばれた。相手の切っ先が届かない所から振り下ろし、相手を倒していたという◆その小次郎が対決前に「真剣をもって勝負を決せん」と武蔵に申し出る。が、普段は真剣で戦う武蔵はこの時、「われは木刀を使う」と返す。そして巌流島に現れた武蔵が手にしていたのは長さ4尺2寸(約127センチ)もある木刀だった◆なぜ、武蔵は櫂を自ら削り勝負に臨んだのか。この時の木刀から柄の部位を差し引くと、小次郎より武蔵の方が切っ先が10センチほど長かったという。この10センチの切っ先の差が、「絶対に勝たなければならない」という武蔵の執念の現れだったというのだ◆衆院選の投票日まで残すはきょうと明日の2日。公明党の小選挙区候補も比例区候補も、そして応援してくださる党員、支持者の皆さんも必死に戦い、きょうまで来た。あとは切っ先の勝負。「絶対に勝つ!」との執念が勝敗を決する。(流)