e来年度税制改正 地方と家計への支援を手厚く
- 2015.01.05
- 情勢/解説
公明新聞:2014年12月27日(土)付
2015年度の税制改正をめぐり自民、公明両党による協議が始まった。30日の与党税制改正大綱の決定に向け活発な議論を展開してほしい。
衆院選で公明党は、消費税率10%引き上げ時の軽減税率の導入を訴えてきた。実施に向け、どう道筋をつけるべきか議論を深めていきたい。
自公政権の経済政策であるアベノミクスによって景気は回復しているが、地方経済や家計にまで行き届いていない。税制面からの積極的な後押しで、景気回復の流れを列島の隅々に届けていかなければならない。
例えば、地域活性化のためには雇用の創出が重要であり、企業の誘致を促す取り組みが求められる。本社機能を大都市圏から地方に移す企業に対する税の優遇は、その有効な手段となる。従業員や家族が移り住んだり、地元の人が従業員として働くことができれば、地方の税収増や消費拡大が見込め、波及効果は大きい。公明党が衆院選の重点政策で訴えていた内容であり、実現を望む。
地方で暮らす場合の主要な交通手段である自動車への課税も焦点の一つになる。
特に軽自動車は"生活の足"ともいえる存在だが、軽自動車税は15年4月以降に購入する新車の場合、払う税額はマイカーで現在の1.5倍に引き上げられる。負担の増加に少しでも配慮するため、一定の燃費基準を満たした車を対象にする軽課措置(税率の軽減)の適用を検討する必要がある。
再生可能エネルギー分野への投資額を資産として子や孫に贈与した場合に贈与税を軽減する「緑の贈与制度」は、従来から公明党が提案している仕組みだ。しかし、今年度の税制改正大綱では検討事項にとどまっており、一定の前進を期待する。
住宅の購入や増改築のため親・祖父母からもらう資金については贈与税の非課税枠がある。その要件を見直し、住宅に太陽光パネルや省エネ機器を取り付ける資金にも適用できるようにしてはどうだろうか。緑の贈与制度の考え方を住宅税制に取り入れる発想だ。再生エネの普及と、若い世代の住宅取得・増改築が促進され、住宅市場の活性化が見込める。