e「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」のポイント

  • 2015.01.05
  • 情勢/社会

公明新聞:2014年12月28日(日)付



通常国会での早期成立をめざす



27日に決定した3兆5000億円規模の経済対策は、生活者への支援などを通じてGDP(国内総生産)の6割程度を占める個人消費を喚起することのほか、地方活性化、災害復旧・復興加速化に重点を置いた。企業業績の改善を雇用・消費の拡大につなげる「経済の好循環」の確かな流れをつくることを狙う。

また、財政規律に一定の配慮を示し、財源は新規国債を追加発行せず、企業業績の改善に伴う2014年度税収の増加分や、13年度の剰余金を活用。公共事業は土砂災害や台風災害からの復旧、東日本大震災の被災地復興などに限定する。

復興関連では、原発事故の除染で出た汚染土を保管する中間貯蔵施設の建設を受け入れた福島に対し、地域振興や生活再建を後押しする交付金を創設。海外への情報発信など風評被害対策も実施する。

政府は、経済対策の裏付けとなる14年度補正予算案を来年1月上旬に閣議決定し、同月下旬の召集が見込まれる通常国会に提出。早期成立をめざす。



中小企業支援



円安に伴う輸入原材料や燃料費の高騰で経営が苦しい中小企業を、政府系金融機関の低利融資で支援する。工場や店舗に省エネ設備を導入する場合の補助金も手当てした。

新しい商品・サービスの開発をめざす中小企業の設備投資を対象とする「ものづくり補助金」を13年度補正予算に続いて計上。6社以上が共同で投資するケースも対象に加える。

地域の商工団体から助言を受けて、広告・宣伝や店舗改装に取り組む小規模事業者に対する「持続化補助金」を拡充する。



住宅エコポイント再開



住宅市場を活性化するため、過去2回行った「住宅エコポイント制度」を再開する。省エネ住宅の新築やリフォームに最大45万円分のポイントを与え、商品などと交換できるようにする。27日以降の請負契約が対象で、14年度補正予算の成立後に工事を完了させるのが条件。当初は来年3月末までの契約を対象とする方針だったが、事業費がなくなり次第制度を終えることにした。

省エネと耐震性に優れた住宅に適用する住宅金融支援機構の長期固定住宅ローン「フラット35S」の金利も引き下げる。



災害復旧促進



台風や広島市北部での大規模な土砂災害で、被害を受けた道路や水道施設などの復旧を進める。長野地震などでは全壊や半壊の家屋が多く出たことから、公営住宅の提供を加速させる。

緊急防災対応では、都道府県による土砂災害警戒区域の指定を後押しするため、前提となる基礎調査の費用を14年度補正予算案に計上する方針。戦後最悪の被害が出た御嶽山(長野、岐阜両県)の噴火を受け、火山観測機器を設置・更新し、シェルターの整備を進める。大規模災害への備えでは、学校施設の耐震化などを盛り込んだ。

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