eコラム「北斗七星」

  • 2015.01.13
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年1月12日(月)付




「至誠にして動かざる者は未だこれ有らざるなり」。吉田松陰が座右の銘とした孟子の言葉だ。「真心を込めて行動すれば、人の心を動かさないことはない」との意味になろうか◆その松陰の生き方を彷彿とさせるエピソードがある。24歳で萩の野山獄に入れられたときのこと。松陰は、書の上手な人や俳句の得意な人など、囚人たちの特技を次々に引き出し、その人に弟子入りする。自らも孟子を講義し、互いに「先生」と呼び合い、教え合うようになっていく◆松陰によって長所を見いだされた囚人たちは生きる喜びや希望を持ち、互いに人格を高め合うようになる。松陰の人を思いやる心と行動は、劣悪な環境である獄中さえも活気溢れる学びの場に変えていった◆今年の統一地方選の最大のテーマは「地方創生」。公明党は、そのキーワードは「人」にあるとし、「地域に住む『人』が生きる内容にならなければならない」(山口那津男代表)と訴える。そこに住む人々が夢や誇りを持ち、安心して暮らせる地域をつくることが肝心だ◆元総務相で日本創成会議座長の増田寛也氏は「『生活者の視点』を大切にしてきた公明党らしい着眼点であり、地方創生の本質を言い表したもの」と。地域に密着し、住民に誠実に寄り添い現場の声を的確につかむ公明党地方議員の出番だ。(紀)

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