e党幹部座談会 統一地方選の大勝利めざして <3>
- 2015.01.14
- 情勢/社会
公明新聞:2015年1月14日(水)付
人が生きる地方創生へ
将来像を描く役割重要に
現場に根差す公明こそ推進力
石井啓一政務調査会長 民間の有識者会議が、人口減少による自治体消滅の可能性を指摘し、波紋を広げた。4月の統一地方選では、人口減や少子高齢化の現実を直視しつつ、住民の不安を安心に変える中長期の視点に立った「地方創生」の姿をどう示すかが争点になる。
斉藤鉄夫幹事長代行 昨年、地方創生関連法が成立し、政府は12月に人口減少に歯止めをかけ、地方活性化をめざす「総合戦略」と「長期ビジョン」をまとめた。今後、地方自治体はそれらを踏まえた地方版総合戦略を策定する。
井上義久幹事長 地方の自主性を尊重し、それを国が支援する枠組みだ。それぞれの地域性を生かし、どんなビジョンを示すのか、地方の腕の見せ所だ。肝心なのは、行政任せではなく、二元代表制下で議員も戦略策定にきちんと関わっていくことだ。
山口那津男代表 自治体の消滅ばかりが危機感を持って伝えられているが、最も大切なのは、地方創生の担い手である「人」に光を当てることだ。女性、若者の視点を生かし、現場で生きる人々が、力を存分に発揮していく。それが公明党が掲げる「人が生きる、地方創生」だ。
斉藤 「住民幸福度の高い地域を考えていくことが肝要」(同志社大学大学院の新川達郎教授)との指摘もある。若者が就職や結婚、子育てなど将来を描くことができて、住民が必要な行政サービスを受けられるようにしていくことが真の地方創生ではないか。そのため公明党は、「活気ある温かな地域づくり推進本部」を設置し、真正面から課題に取り組んでいる。
中島義雄・全国地方議員団会議議長(都議) 「地方創生」というと、過疎地域の課題だと捉えられがちだが、東京や大阪など都市部の課題でもある。安定した仕事と住まいがなければ、安心して都市部に住み続けることはできない。
プレミアム商品券や灯油購入に補助
おざさ正博・全国地方議員団会議副議長(大阪市議) その通りだ。大阪の場合、四国や九州から仕事を求めて多くの若者がやってくる。そのような単身世帯の若者が、公営住宅に幅広く入居できるようにするなど、都市部の住宅政策の見直しも必要になっている。
井上 昨年、作家の童門冬二氏と対談した折、江戸時代中期に米沢藩の財政を立て直した上杉鷹山が話題になった。師の細井平洲が鷹山に教えたことは、「土地に潜む徳を掘り起こす」ということ。自らの土地の可能性にこだわり、工夫を重ねて養蚕業などを育て、仕事をつくり、藩を再建した。公明党は、こうした視点を大事にしていきたい。
石井 仕事があり、生活できる環境が整わなければ地方創生は進まない。今月9日に閣議決定された2014年度補正予算案では公明党の主張を反映して、雇用創出などの地方創生に役立つ、使い勝手のよい交付金(4200億円)が創設された。消費喚起を促す「プレミアム商品券」の発行を支援したり、低所得者の灯油購入などを補助できるようにした。公明党議員が各地で行政に働き掛け、地方への定住促進や雇用対策などに活用していただきたい。
主体的な地域づくりの先頭に立つ
山口 25年前に、国が全ての市区町村に1億円ずつ自由に使える交付金を配る事業があったが、思うような成果は得られなかった。今度の地方創生こそ、地方が地域づくりの主体性を発揮する時だ。その先頭に立つのが公明党だ。
斉藤 公明党の地方議員は、常に住民と接している。地域活性化に向けた問題意識を持った人も多い。いろいろなアイデアを生かして、地方の将来像を示すビジョン策定にしっかり関わっていきたい。
山口 公明党の伝統は、小さな声から政策を実現する力だ。今こそ全議員が現場に飛び込み、地方創生という大きな課題に挑戦していこう。地域に根差した公明党こそが、地方創生の推進力であることを示していこうではないか。