e半島振興法 地域資源を生かす改正めざせ
- 2015.01.14
- 情勢/解説
公明新聞:2015年1月14日(水)付
3月末に期限を迎える半島振興法の延長・改正に向け、自民、公明の与党内で協議が進められている。
半島地域は、三方を海に囲まれて平地に恵まれないなどの地理的な制約が多く、道路や通信網のインフラ(社会基盤)が十分に整備されていないところも珍しくない。人口減少率も全国平均を上回り、高齢化が著しい。
対策として1985年に半島振興法が制定され、これまで2度の延長を経て、現在、23地域を対象に道路整備の財政支援や企業誘致のための税の優遇措置が行われている。一定の成果は収めているが、急速に進む少子高齢化や相次ぐ自然災害への対応など、まだまだ課題は少なくない。
公明党は、半島振興法の延長・拡充をめざし精力的に取り組んでいる。昨年7月に発足したプロジェクトチーム(PT)は、各地の半島地域を視察するとともに、関係自治体の首長らと活発に意見交換を実施し、同12月に同法の充実に向けて提言を取りまとめた。
提言は、"現場の声"を踏まえ、法律の目的に定住の促進を明確化することや、地域住民の足となる公共交通の確保などを盛り込んでいる。
具体策の一つが、豊かな農林水産物などの地域資源を生かした多様な取り組みを支援するために柔軟に使える交付金の創設である。
青森県下北半島では、特有の気象条件を生かしてブドウを生産し、ワインを製造している。石川県能登半島では在来種の大豆を使った豆腐などの商品開発に成功し、観光客の呼び込みに成功したケースもある。こうした地域の特色に着目した施策を積極的に後押ししていくことが、産業振興に欠かせない。
また、地域の担い手となる若者らの定住促進と雇用創出も鍵を握る。半島地域の振興に役立つ産業に就職する学生に対して、奨学金制度の拡充などで支援することが求められる。
さらに、半島地域は主要道路の他に替わる道路が十分にない場合が多く、災害の発生時に甚大な被害が出る恐れがある。防災力を総合的に高めていかなければならない。
半島振興へ強力な対策を望みたい。