e女性の再就職支援 応援プランの周知徹底が重要

  • 2015.01.26
  • 情勢/解説

公明新聞:2015年1月24日(土)付




経済協力開発機構(OECD)が、日本における失業者の再就職に関する報告書を公表した。OECDは日本の失業対策について、おおむね評価しつつも、「失業者がよりスムーズに再就職できるよう、一層の努力をする余地がある」と指摘している。特に日本では女性が再就職できる割合が低いことに触れ、「いったん失職すると再就職に苦労する」と述べている。


女性が働きやすい環境づくりを進め、この状況を改善しなければならない。内閣府男女共同参画局が発表した「女性のチャレンジ応援プラン」は、その対策の一つになるだろう。家事や子育て、家族の介護などに従事している女性の再就職や地域貢献、起業を支援する内容だ。


同プランには、(1)子育てをしながら就職したい女性のためのマザーズハローワークなどの支援拠点の拡大(2)離職期間が長い女性の再就職を助ける試行雇用の実施(3)好条件の就職を見つけるために学び直そうと高校卒業程度認定試験(旧大検)を受験する、ひとり親家庭の母親に受講費用の助成(4)起業時の店舗購入費や設備費等の補助―など、2015年度より実施される具体策が盛り込まれている。3月中に専用のウェブサイトを設け、支援策についての情報を公開する。


同局によると、仕事をしていない女性の15%に当たる459万人が就職・再就職を望んでいるという。同プランで示されている支援策を広く活用してもらえるよう、周知を徹底していくことが重要だ。再就職や職場復帰をめざす女性同士で情報交換や励まし合いができる機会を設けることも必要であろう。


12年に国際通貨基金(IMF)が公表した「女性は日本を救えるか?」と題した報告書では、日本の女性の労働力率(15歳以上人口に占める就業者と完全失業者の割合)が北欧諸国並み(80%以上)になれば、日本の国内総生産(GDP)は8%増加するとの指摘が大いに注目された。OECDによると、日本の13年時点の女性の労働力率は65%で、OECD加盟34カ国中、24位にとどまっている。女性の再就職支援を強化し、女性が生き生きと活躍できる社会を構築していきたい。

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