e若者雇用対策を法整備へ

  • 2015.01.26
  • 政治/国会
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公明新聞:2015年1月26日(月)付




優良企業を認定し助成

ブラック企業の求人拒否も



政府は、きょう26日召集の通常国会に、若者の雇用対策に関する初めての法案の提出・成立をめざしている。優良企業を認定し助成金を出す仕組みの創設や、若者を使い捨てにするブラック企業対策を柱とする同法案には、公明党の主張が随所に盛り込まれる。



政府、今国会に法案提出し成立めざす



厚生労働省の審議会は23日、若者の雇用対策に関する初めての法律制定に向けた報告書をまとめた。政府は、この通常国会に法案を提出し、2015年度中の施行をめざす。


法案は、若者の正規雇用や育成に積極的な企業を認定する制度の創設や、ハローワークでブラック企業の求人を受け付けないようにすることなどが柱だ。


具体的には、若い社員の職場定着率や、有給休暇取得率、平均残業時間などで一定の基準を満たす企業を「若者育成認定企業」(仮称)に指定し、優秀な人材を集めやすくするほか、助成金を支給する。また、企業側が学生を募集する際も、学生の求めに応じて、離職者数を含む募集・採用状況や育児休暇の取得状況などの情報を提供するよう義務付ける方針だ。


新卒者が就職して3年以内に離職する割合は、大卒で約3割、高卒で約4割と高い。採用段階で企業側に丁寧で分かりやすい取り組みを進めてもらうことで、状況の改善を図る。


ブラック企業対策も強化する。現在のハローワークは、事業者による求人の申し込みを原則的に断ることはできず、違法な労働条件などが書かれていない限り、求人票はすべて受理される。政府が検討している新制度では、問題のある企業の新卒求人をハローワークが受理しないことを可能にする。例えば、残業代の不払いを過去1年間に2回以上繰り返し、是正指導を受けた企業などが対象として想定されている。セクハラ(性的な嫌がらせ)や、育児休業を取得させないといった理由で企業名を公表された場合なども、求人票を受理しない方針だ。


厚労省の集計によると、2013年度、全国のハローワークに寄せられた求人票に関する苦情は9380件に上る。これに対し、厚労省が求職者や事業者に聞き取り調査などを行った結果、苦情の約4割で求人内容と実際の労働条件が食い違っていたことが明らかになっている【グラフ参照】。多くは賃金に関する苦情だが、中には仕事の日だけ給料を払う「請負契約」でありながら、求人票では「正社員募集」としていたケースもあったという。


また、苦情を訴えていた人が、厚労省による事業者側への聞き取り調査を拒否したケースも2532件(約27%)ある。既に求人票を出していた事業者に就職しており、職場の人間関係が悪化することなどを懸念したからだ。このため、求人票の内容が実際と異なる事例は、調査結果以上に多いとみられている。


優良企業の認定やブラック企業の排除を進める若者雇用対策法案に対しては、学生や労働問題に取り組む団体などから歓迎の声が多く寄せられている。



公明党が法制化を提言



現在、政府が検討を進める若者の雇用対策法案は、公明党が昨年5月に政府に提言し、衆院選の重点政策に掲げて推進してきたものだ。


公明党は、これまでも、35歳未満の若者の就職を支援する「わかものハローワーク」の拡充や、ブラック企業対策として、ハローワークに在職者向け相談窓口の設置などを進めてきた。


これからも、若者が将来に希望を持って社会で活躍できるよう全力で応援していく。

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