e衆院予算委 石井政調会長の質疑要旨
- 2015.01.30
- 政治/国会
公明新聞:2015年1月30日(金)付
補正で住宅市場活性化
政労使が合意 賃上げ全力で推進を
29日の衆院予算委員会での石井啓一政務調査会長の質問と答弁の要旨は、次の通り。
邦人拘束、テロ対策
石井啓一政調会長 (過激組織「イスラム国」とみられるグループによる)シリアでの邦人拘束事件で政府は、テロに屈しない対応と人命の尊重とで、非常に難しい対応を迫られているが、公明党は、政府の対応を強く支持する。邦人拘束事件や、フランスでのテロ事件を受けて、わが国においてもテロへの警戒を強める必要がある。
日韓関係
石井 今年は、日韓国交正常化50周年に当たる。慰安婦問題をどう扱うのか、極めて難しい課題だが、50周年という節目の年に日韓首脳会談をぜひ実現してほしい。日韓両国の議員交流によっても後押ししたい。
安倍晋三首相 韓国は、戦略的利益を共有する大切な隣国だ。難しい問題もあるが、だからこそ前提条件を付けずに首脳レベルでも率直に話し合うべきだと考えている。未来志向の日韓関係を構築すべく、互いに努力を重ねていきたい。
景気回復
石井 昨年12月の衆院選で、アベノミクスの継続・進展が信任を受けた。実感できる景気回復実現への強い期待に応えなければならない。アベノミクスが格差を拡大させているという批判もあるが、2014年度補正予算、15年度当初予算を早期成立・執行させるなどして、成長の成果を全国の地域、中小・小規模事業者、家計に波及していくことが格差批判に応えることになる。
消費喚起・生活支援のための交付金
石井 14年度補正予算が成立すれば、地域での消費喚起や生活支援のための交付金について、3月上旬にも自治体が計画を立てる。時間がないので、自治体は早急に検討を進めてほしい。政府も助言をしていただきたい。
商業・サービス業支援
石井 「ものづくり・商業・サービス補助金」について、13年度補正予算で採択された1万4431件のうち商業・サービス業は1974件、13.7%にとどまっている。「革新的なサービスの提供」という要件が十分に理解されず、円滑に利用されていないのではないか。分かりやすい事例集を提示するなど丁寧に説明をしてほしい。
宮沢洋一経済産業相 中小サービス業者の生産性向上のためのガイドライン(指針)として、IT(情報技術)利活用といった10項目のモデルや採択事例などを示していく。
住宅市場の活性化
石井 消費税率引き上げの反動減が最も大きかったのは住宅市場ではないか。補正予算案で「フラット35S」の金利引き下げ幅を拡大し、住宅エコポイントを復活させた。さらに、15年度税制改正で、親や祖父母が住宅資金を贈与した際の贈与税非課税制度を拡充した。これらの施策は、住宅市場の活性化にどの程度寄与するか。
太田昭宏国土交通相(公明党) 補正に盛り込まれたこれらの施策によって、1年間で約5万戸の住宅着工数の押し上げを見込んでいる。さらに、贈与税の非課税措置の拡大で、19年6月までにおおむね8万戸、1年当たり1.5万戸程度の押し上げ効果が見込まれる。住宅市場の活性化に大きく寄与するものだ。
賃金引き上げ、仕入れ価格の転嫁
石井 昨年12月の政労使会議の合意で「経済界は、賃金の引き上げに向けた最大限の努力を図るとともに、取引企業の仕入れ価格の上昇などを踏まえた価格転嫁や支援・協力について総合的に取り組む」とした。賃上げも重要だが、原材料価格の上昇分を取引価格に上乗せすることは、中小企業に景気回復の成果を届けるという意味で重要だ。
法人実効税率の引き下げなど政府は賃上げのための環境整備をやっているのだから、賃上げと取引価格の適正化について経済界に実現を促してほしい。
首相 経済界へのアンケート調査などで合意の実施状況をフォローアップし、経済の好循環を確実に拡大させていきたい。
石井 サービス業の生産性向上、非正規雇用者の処遇改善や正規化を合意に盛り込んだことも重要だ。合意を実現することが経済の好循環を継続させ、実感できる景気回復につながる。政府としても一層の後押しをお願いしたい。