e帰宅困難区域にバス

  • 2015.02.02
  • 情勢/社会
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公明新聞:2015年2月1日(日)付



常磐線不通区間で初

利用者「便利になった」



東京電力福島第1原発事故の影響で不通になっているJR常磐線の竜田(福島県楢葉町)―原ノ町(同県南相馬市)間を結ぶ代行バスの運行が31日、始まった。原発周辺で放射線量が高い帰還困難区域内で、公共交通機関が運行するのは初めて。交通手段を持たない避難者の一時帰宅などに利用が期待される。


JR東日本によると、両駅の間には第1原発があり放射線量が高い上、線路の一部は地震や津波で被害を受けており、運行再開のめどは立っていない。バスは昨年9月に通行が自由になった原発西側の国道6号を通り、両駅を結ぶ。直通バスのため途中で停車せず、トイレ付きの車両を使う。定員50人で、運賃は鉄道と同じ840円。


始発便には、南相馬市の桜井勝延市長や住民ら31人が乗車。同市に単身赴任し、茨城県日立市の自宅に一時帰宅する会社員小田井恒吾さん(62)は「便利になった。乗り心地も快適」と語り、同市長は「避難中の交通弱者らにとって非常に便利になる。(運行本数を)増やしてもらえるよう(JR東に)要望していく」と話した。


政府の推計によると、同区間を1回通行すると、乗客らが受ける被ばく線量は1.2マイクロシーベルト。運転手のほか乗務員1人が乗車し、線量計で車内の空間放射線量を測定する。

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