e保育の人材確保へ 厚労省が新プラン

  • 2015.02.03
  • 情勢/社会
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公明新聞:2015年2月3日(火)付




6万9千人増めざす

17年度までに



待機児童の解消に向けて、保育施設と保育士の不足が問題となっている。厚生労働省は先月、保育施設で働く人材を確保するための「保育士確保プラン」を策定した。



・離職した保育士の復帰支援



・保育士試験を年2回実施 



・保育士の給与3%の処遇改善加算



・保育士試験の学習費用の助成



4月から始まる「子ども・子育て支援新制度」では、従来の保育所や幼稚園に加え、幼児教育と保育を一体的に提供する「認定こども園」を拡充するとともに、待機児童の多い0~2歳児を預かる「小規模保育」や「家庭的保育(保育ママ)」などの地域型保育も推進し、多様な保育の場の整備を支援する。

これによって、2017年度までに新たに約40万人分の保育の受け皿を確保する「待機児童解消加速化プラン」の達成をめざしている。

これに伴い、保育士も増やさなければならない。厚労省によると、17年度末時点で、国全体で46万3000人が必要となるという。13年度の時点で、保育所で働く保育士は37万8000人であり、17年度末までに自然増が見込まれる保育士の数2万人を差し引くと、今後、保育士を6万5000人増やす必要があるという計算になる。

保育士確保プランでは、保育施設の定員が増員傾向にあることも踏まえた補充分も加え、6万9000人の保育士を17年度までに確保する。

具体的には、資格を取得しても保育士にならない、もしくは、保育士を離職後、復職しない「潜在保育士」の就職支援などを行う「保育士・保育所支援センター」の機能を強化し、特に離職した保育士の復帰支援に力を入れる【図参照】。厚労省の推計によると潜在保育士は60万人を超えるといわれており、1人でも多くの人に活躍してもらう狙いだ。

このほか、(1)現在、年1回行われている保育士試験を年2回実施(2)保育士の給与3%の処遇改善加算(3)保育士養成施設による学生の保育所就職を促す取り組みを支援(4)保育士試験受験者の学習費用の一部助成―などを推進し、6万9000人のうちの2万人を確保する。




従来の施策も継続へ



残りの4万9000人については、待機児童解消加速化プランに基づき、13年度から行われている施策を引き続き実施していくことで確保する。


継続される施策は、(1)保育士資格を取得しやすくするための取り組みの実施(2)保育所の職場環境の改善など、保育士の離職防止に向けた取り組みの支援(3)保育士・保育所支援センターを積極的に活用し、潜在保育士への就職のあっせんや相談支援の実施―などである。


保育士確保プランが確実に行われることで、保育士をめざす人たちの資格取得のチャンスが広がると同時に、離職した保育士の職場復帰なども進むと期待されている。



公明党が強力に後押し



公明党は不足する保育士の確保を強力に推進している。


公明党の石井啓一政務調査会長と、党次世代育成支援推進本部の古屋範子本部長(いずれも衆院議員)らは、昨年3月、菅義偉官房長官に、子ども・子育て支援新制度を円滑に実施するための財源確保を要望した際も、保育サービスの「量的拡充」と「質の改善」の両立の重要性を強調し、「質の改善」を支える保育士を確保するため、給与アップによる保育士の処遇改善などを求めている。

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