e地方版総合戦略 公明議員が住民の声代弁を

  • 2015.02.04
  • 情勢/解説

公明新聞:2015年2月4日(水)付




東京一極集中を是正し、日本全体を元気にする「地方創生」の具体化に向け、地域ごとの政策づくりを急ぎたい。


3日成立した2014年度補正予算には、自治体が人口減少対策などに速やかに取り組めるよう「地方創生先行型」の交付金(1700億円)が盛り込まれた。これは自治体の裁量で自由に使える交付金で、地方の期待は大きい。


交付金を受け取る自治体には、15年度中に独自の政策と数値目標を盛り込んだ地方版総合戦略を策定し、実行に移すことが求められる。


地域の実情を最もよく知るのは、そこで暮らす人々であり、地域の活性化には、地方が自ら考え、責任を持って施策を進めることが欠かせない。既に多くの自治体が、産業界や大学、労働界、地域の金融機関や言論界とともに戦略づくりを始めている。


地方独自の政策づくりにあたり、注目を集めているのが長野県だ。長野県は、ある民間調査で11年から3年連続で移住希望先全国1位の評価を得た。同県では、森林資源を活用した田園都市づくりなどを推進。また、県内の自治体が発信する空き家バンクでも成約数全国1位となるなど、移住希望者の受け入れに積極的だ。


昨年、人気が急増した野生動物の肉を使うジビエ料理も「本場」の同県に追い風となった。従来は「課題」と受け止められた鳥獣被害や空き家問題を、地域活性化につなげることに成功したと言えよう。


注意が必要なのは、全国の自治体の取り組みに温度差があることだ。政府は、人材面に不安が残る小さな自治体を支援するため、国家公務員などを派遣する制度を今年春から始めるが、応募した自治体は対象の1割程度にとどまる。一部の自治体からは、慣れない戦略づくりに戸惑う声も聞かれる。政府には、こうした自治体への目配りを続けることが求められている。


これから本格化する地域の戦略づくりで重要になるのが、住民の声を代弁できる地方議員の役割だ。特に、国と地方の連携に強みを持つ公明党のネットワークに首長や識者の期待は高い。わが党の議員が積極的に戦略策定に携わっていきたい。

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