e14年度補正予算 現場を歩く

  • 2015.02.09
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年2月7日(土)付




農業の燃料費高騰対策

経費削減の努力は限界 経営安定への安全網

「支援継続、ありがたい」



◇ 群馬・高崎市 ◇



「生産者の立場としても、経費削減への努力は惜しみません。でも、こればっかりはその範ちゅうを超えたところにある問題なんです」―。こう話すのは、群馬県高崎市内でトマトのハウス栽培を経営し、市農業委員会の会長も務める依田延雄さん。近年、長期的な原油高や円安などによって燃油価格が高値で推移し続けている状況を切実に訴えている。


これに対し、国は2012年度から施設園芸を対象に「燃油価格高騰緊急対策」を実施。具体的には、燃油使用量の15%以上の削減に取り組む産地に対し(1)省エネルギー設備(ヒートポンプ、木質バイオマス利用加温設備など)のリース導入を支援し、燃油価格の影響を受けにくい経営構造への転換を進める(2)燃油価格が一定基準以上に上昇した場合の補てん金を交付するセーフティーネット(安全網)を構築する―という内容だ。14年度補正予算においても事業期限の1年間延長を決め、茶を支援対象に追加した。


依田さんもこれまで、2000平方メートルあるハウスを12~3月の間、常に暖かくするために6000リットルの燃油を使用し、補てん金を受け取ってきた一人。「最近では原油価格が落ち着いたといわれているが、それでも昔に比べれば2倍以上の高水準のまま。トマトはハウス栽培の中でも、比較的に低温で育てられるが、果樹や花きの場合は2~3倍以上の燃油が必要となる。セーフティーネットがあって助かっている生産者は多いし、支援が継続されて本当にありがたい」と言う。


施設園芸における燃油価格高騰の影響は他の産業よりも大きく、経費に占める燃料費は3割程度にもなる。依田さんも「食を守ることは命をつなぐこと。これからも、生産者が安心して経営できる支援に期待している」と語っている。

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