e地元に「ふるさと名物」を

  • 2015.02.16
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年2月14日(土)付




商品化促す 新事業

3月から公募 開発や販路開拓を後押し



地域ならではの「ふるさと名物」を開発して地元の魅力を発信し、地域経済の活性化につなげる国の「ふるさと名物応援事業」がスタートする。2014年度補正予算に40億円が確保され、15年度予算案にも16億円が計上された。「地方創生」の具体化に向け、地域の"底力"を引き出す取り組みに注目が集まっている。


同事業の特徴は、地元の中小企業・小規模事業者をはじめ、地域が一体となって地域の強みを「ふるさと名物」として掘り起こし、その魅力を発信する取り組みを支援する点だ。


具体的には、複数の中小企業・小規模事業者が「ふるさと名物」を地域ブランド化する費用の3分の2を、2000万円を上限に補助。新商品の試作や展示会への出展にかかる費用などに充てることができる。


また、より良い商品開発と販路開拓への取り組みもバックアップ。流通・小売業者が市場調査などを通して消費者のニーズを把握し、製造事業者の「ふるさと名物」の商品化に評価結果を反映させる際の経費や販路開拓のための広告費などを1000万円を上限に補助する。中小企業・小規模事業者の補助率は3分の2で、大企業は2分の1。中小企業庁では、3月上旬から4月上旬にかけて、事業者の公募を行う予定だ。


一方、「ふるさと名物」の消費喚起策として、14年度補正予算の交付金で「ふるさと名物商品券」を発行できるようにしている。


「ふるさと名物」を地域ブランド化し、地域活性化につなげる事例は全国に数多い。高知県馬路村では、地元の農業協同組合が中心となって、村の主要農産物であるゆずを原料にしたドリンク「ごっくん馬路村」をヒットさせ、調味料「ゆずこしょう」など、ゆず加工品が村の顔に。年商は30億円を突破し、村民の約1割が、ゆず加工品の仕事に携わっている。


また、山梨県甲州市は、行政や酒造組合、事業者が連携して、地元産ブドウを使った「甲州ワイン」のブランド化に成功した一例だ。「甲州市原産地呼称ワイン認証制度」や「乾杯条例」でワインの品質保証や普及に努め、「フルーツマラソン」が人気を博すなど観光振興にもつながっている。



地域経済の活性化へ公明が推進



「ふるさと名物応援事業」は公明党が昨年11月に政府に提出した「緊急経済対策」の中で提案し、取り組みを後押しした。また、4月の統一地方選重点政策にも、地域資源のブランド化や中小企業・小規模事業者の研究開発、販路開拓に対する支援を提唱。地域資源を磨き、地域経済に活力をもたらす「地方創生」の実現に全力を挙げる。

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