e井上幹事長の衆院代表質問(要旨)
- 2015.02.18
- 情勢/社会
公明新聞:2015年2月18日(水)付
公明党の政治姿勢
安倍内閣が発足して2年。昨年末の衆議院選挙において、公明党は、国民の皆さまから多大なご支持をいただき、引き続き、連立与党として国政に携わる重責を担うことになりました。
「一人ひとりに成長の恩恵が行き渡る『経済の好循環』の実現」「被災された方々が当たり前の日常生活を取り戻すための東日本大震災からの復興の加速」「人口減少・超高齢社会の中で、地域で暮らし、皆で支えあう安心の社会保障の確立」。そして、「貧困、暴力、戦争・テロのない世界の実現に向けた日本の国際貢献のあり方」など多岐にわたります。
公明党は、今日まで「平和の党」として、また、大衆の中から生まれた政党として、生活者とりわけ社会的に弱い立場の人々に寄り添い、政治を前に進めてきました。この政治姿勢は、これからも変わりません。
最近、社会全体における格差の拡大や貧困の固定化が指摘されています。社会保障の拡充によるセーフティーネットの強化や正規雇用の拡大、再チャレンジ可能な雇用対策の強化、さらには教育機会の均等など子どもの貧困対策の拡充等々、あらゆる施策を通じ、格差・貧困の解消に、引き続き取り組む決意です。
テロ対策の強化
イスラム国と称するテロ集団による卑劣なテロ行為により、日本人2名が殺害されたことは、誠に痛恨の極みであり断じて許すことはできません。衷心より哀悼の意を表するとともに、ご家族に心からお悔やみ申し上げます。こうした悲劇が繰り返されないよう、国際社会と連携したテロ対策の強化とともに、国内外の日本人の安全確保に万全を期さなければなりません。
在外公館等を通じた情報収集能力の強化や在外日本人の安全確保対策、日本人学校等の警備体制強化など、人命第一に対策を講じることが求められます。国内でも、テロリストの入国を阻止する水際対策や標的となり得る重要施設の警備強化、サイバーテロへの対処能力の向上などの取り組みを急ぐよう求めます。
家計、中小企業、地方へ恩恵
経済再生
日本経済は、安倍内閣が進めてきた経済政策により、雇用や企業収益を中心に、着実に好転してきています。
他方、家計は、賃金の上昇が物価上昇に追い付かず、結果、実質賃金が低下。企業でも、特に内需依存型の中小・小規模事業者は、円安による原材料価格の高騰などで苦しんでいます。
"家計へ、中小企業へ、地方へ"と「経済の好循環」を行き渡らせる―これが、経済再生を成し遂げるための大きなカギであり、今年はその正念場です。
まず、大事なことは、景気回復を確実に家計に波及させることです。そのためにも、賃金上昇の流れを継続させることが重要です。政労使が一致協力し、企業収益の増加を雇用の拡大、賃金上昇へとつなげるよう強く期待します。
雇用の7割を占める中小企業・小規模事業者の振興・生産性の向上に向けて、「人材」の確保・育成や新たな商品・サービスの開発促進、販路の拡大など戦略的な政策展開が必要です。下請け企業に対する取引価格の適正化など、経済界の取り組みも欠かせません。
来年度税制改正において、大法人を中心に、法人実効税率を2.51%引き下げ、さらに再来年度以降も引き下げ幅を上乗せすることとしています。その財源確保に関連して、外形標準課税の適用対象法人のあり方については、地方経済や企業経営への影響を踏まえて、慎重に対応すべきです。
また、地方の活性化のためには、地域経済を支える「ローカル経済圏」に焦点をあてることが必要です。
来年度予算案では、地域の実情に応じたきめ細かな施策が展開できるよう、地方創生に要する経費として約1兆円が地方財政計画に計上されています。これを含め予算、税制、金融等あらゆる面で、「ローカル経済圏」の活性化に取り組むよう求めます。
また、成長戦略に関し、ロボット技術は、少子高齢社会・働き手の減少などの課題に対して、生産性の向上や人手不足の解消、社会の利便性の向上などに資するものとして大きな期待が寄せられています。
とりわけ、今後ますます需要が増大する医療・介護をはじめ、震災復興や防災、特に道路や橋のメンテナンスなど、製造現場から日常生活のあらゆる場面でロボットの利活用を促すことが重要なカギになります。
そのため、政府においては規制改革やルール作り、公的機関での先行的な導入など、ロボット革命の実現に向けた政策に取り組むべきと考えます。
議員ネットワークで推進
地方創生の取り組み
昨年12月、政府は「まち・ひと・しごと創生」にかかる長期ビジョンと総合戦略を策定し、地方創生に向けた本格的な取り組みがスタートしました。
今後、各自治体が地方人口ビジョンと地方版総合戦略を策定し、地方創生に取り組むことになりますが、大事なことは、担い手である「ひと」が要であり中心でなければならないということです。
そこで公明党は、本格的な地方創生のスタートにあたり、どこまでも「ひと」に視点をおいて、まずは、以下五つの分野に重点的に取り組みたいと考えています。
第一は、地域しごと支援事業です。
地域に必要とされる「ひと」を還流させるため「地域しごと支援センター」を整備し、地域のしごとと生活情報を一体的に提供しながら、魅力ある「しごと」を作り、必要な「ひと」づくりを進めなければなりません。
第二は、都市と農村の「ひと」の交流事業です。
公明党はかねてより「子ども滞在型農山漁村体験教育」の取り組みを推進してきました。こうした施策を含め都市と農村との「ひと」の交流を活発化することで、一時滞在から継続的な滞在、場合によっては二地域居住、そして移住・定住へと人の流れが生まれるものと確信します。
第三は、大学生等の地方定着の推進です。
それぞれの地域で必要とする人材を確保するため、地方大学などへの進学、地元企業への就職、さらに都市部の大学等から地方企業への就職を促進することが必要です。このため、無利子奨学金の地方創生優先枠の設定や、必要に応じ、奨学金返済の免除など大胆な政策を行う必要があります。
第四は、「日本版ネウボラ」の推進です。
フィンランドでは子ども・家族のための切れ目のない支援体制、いわゆる「ネウボラ」が地域の拠点として整備されています。わが国においても、妊娠から子育て期までの包括的な支援として、「子育て世代包括支援センター」のモデル事業がはじまっていますが、これを全国展開すべきと考えます。
第五は、「コンパクト+ネットワーク」の推進です。
富山市などの先駆的事例から学びつつ、既存の施設などを有効活用しながら、医療・福祉・商業等の都市機能を"まちなか"に誘導するコンパクトシティの形成と地域公共交通ネットワークの再構築を進めるべきです。
また、中山間地域等においては、商店や診療所など生活サービス施設を一定のエリア内に集め、周辺集落とコミュニティーバスやデマンド交通等のネットワークで結ぶ多世代交流・多機能型の「小さな拠点」の形成が「ひと」が暮らす持続可能な地域づくりに不可欠と考えます。
以上、公明党は、国会議員と地方議員のネットワークを生かし、本格的な地方創生の取り組みを開始してまいります。
地方創生は、あくまでも地方の自主性が第一です。一方、地方創生を成功させ、より良いものとしていくためには、国との連携および国からの支援が不可欠であり、的確な情報支援や人的支援、さらに財政的支援を切れ目なく行っていくことが必要です。
担い手、積極的に支援すべき
農林水産業の活性化
地方創生には、地域を支える第一次産業の活性化が重要です。
農業・農村に関しては、中長期的な方針を定めた「食料・農業・農村基本計画」が、本年3月に改定されます。農業・農村の所得をどのように向上させるのか、その道筋を分かりやすく提示すべきです。特にコメ政策については、飼料用米の本作化に向け、安心して取り組める位置付けが必要です。
また、基本計画では、食料自給率の目標を設定していますが、実際の自給率と目標が乖離した状況が続いています。
食料の安定供給は国の重要な責務であり、自給率向上への課題や緊急時に対応しうる潜在的な供給能力である食料自給力などを明確化し、国民的な議論を深めるべきです。
農協改革については、JAをはじめ合意に向けた関係者の努力に心より敬意を表します。今般の改革論議を通じて、農業の重要性や農業のあり方、農協の役割などについて、国民的な議論が深まることを期待しています。
法改正にあたっては、JAの協同組織としての自己改革を妨げることがないように、また、農協改革の大きな目的である農業所得の向上や地域の活性化にどうつなげていくのかの視点に立って、農業者の意見も十分に踏まえ、検討すべきです。
一方で、農業の成長産業化は、農協など組織の見直しのみで可能となるわけではありません。六次産業化や女性・若者などの新たな担い手の挑戦を積極的に支援する等、成長へとつなげる施策が重要です。
林業については、戦後造林した人工林が本格的な利用期を迎えており、国内需要を満たす量の森林資源が、その活用を待っています。川上と川中、川下の連携を強化し、国産材の安定的な供給体制を構築すべきです。
さらに、森林資源の循環利用に向けて、間伐のほか、コスト面からも有効な「皆伐・再造林」に対する支援策を強化すべきと考えます。
水産業については、資源管理を適切に推進しつつ、国内消費の喚起と輸出促進に向けた一層の取り組みが求められます。
本年5月には「食」をテーマにミラノ万博が開催されますが、この機会を最大限に活用して日本食の魅力を発信し、さらなる輸出拡大につなげるべきです。
土地収用の体制整備急げ
復興・防災減災
まもなく、東日本大震災の発災から4度目の「3.11」を迎えます。公明党は、引き続き、被災地・被災者に寄り添いながら、党を挙げて、復興の加速化に全力で取り組んでまいります。
復興のステージは、日々変化しています。本格的な復興へ、住まいの確保はもとより、雇用の確保やコミュニティーの復活、道路やまちづくり、医療・介護施設等を含めた社会インフラの整備などが欠かせません。
例えば、土地の収用に関しては、今後本格化する復興事業において、事業用地等の収用手続きに時間を要することが予想されます。これまでも加速化に向けた措置を講じてきましたが、今後、こうした措置を活用して、用地取得が迅速に進むよう、一層の体制整備に努めるべきです。
来年度、集中復興期間の最終年度を迎えます。被災地では、概ね復興期間10年を前提に復興事業が進められており、被災自治体等が安心して復興に取り組めるよう、2016年度以降の財源確保を含めた国の方針を早急に示すべきです。
また、今年は国勢調査が行われますが、被災自治体では、避難に伴う一時的な人口減少その他の影響により算定基礎が変わり、普通交付税が減少するのではないかとの懸念があります。被災自治体の実態に即した対応措置を検討すべきではないかと考えます。
福島では、12万人もの方々が県内外に避難され、ふるさとへの帰還もままなりません。農林水産物等への風評被害も根強くあります。福島再生に向けては、原発事故の収束、廃炉・汚染水対策、除染、賠償、帰還、健康対策など山積する課題を、着実に前に進めていかなければなりません。
また、福島県は、原発事故の影響もあり、仮設住宅での孤独死など震災関連死が多く起きています。被災者に寄り添い、実情をしっかりと把握し、心のケア、健康対策等を一層強化・拡充すべきです。
政府が提出予定の福島復興再生特別措置法改正案は、住民の方々の帰還を促進するための交付金の創設や帰還に向けて健康に関する不安等を解消するための相談体制の整備等、支援強化策が盛り込まれており、早期成立が求められます。
来月、被災地・宮城で国連防災世界会議が開催されます。総理も出席の意向を表明されましたが、力強く復興に立ち向かう姿を世界に発信するとともに、わが国のこれまでの経験や知見を世界に発信し、各国の防災機能の向上に寄与する絶好の機会です。
今回の会議を契機として、関係者の間で、2年に1回程度、世界の防災関係者が集う仮称「世界防災フォーラム」を定期的に開催してはどうかとの提案があります。
東北「仙台」をプラットフォームとし、世界経済フォーラムであるダボス会議のように「仙台会議」として定期開催し、日本が世界の防災・減災対策を強力にリードしていく絶好のチャンスと考えます。
昨年は、記録的な豪雪、度重なる水害・土砂災害、御嶽山の噴火など自然災害が多発し、わが国が災害多発国であることを改めて認識させられました。切迫する南海トラフ巨大地震や首都直下地震等の自然災害への備えが必要です。
住宅・建物等の耐震化やインフラの老朽化対策・長寿命化、避難訓練への支援などハード・ソフト総動員の集中的な対策を講じること。さらに、気候変動等に伴う災害の激甚化に対し、浸水想定区域やハザードマップの見直し、雨水対策の強化など法改正を含めた対策が急がれます。
また、昨年改正した土砂災害防止法に基づき、土砂災害警戒区域指定の前提となる基礎調査実施の加速化支援や砂防ダムの着実な整備などが重要と考えます。
待機児童の解消を加速
社会保障制度の確立
「社会保障と税の一体改革」は、消費税率引き上げが延期されたものの、社会保障制度を財政的にも仕組みにおいても安定させるため、着実に進めなければなりません。
子ども・子育て支援
4月からスタートする「子ども・子育て支援新制度」が円滑に施行できるよう万全を期すとともに、特に、賃金の引き上げなど保育士の処遇改善、「待機児童解消加速化プラン」「放課後子ども総合プラン」を着実に進めていくことが重要です。
新たな難病対策
難病対策は、今年1月から対象疾病が拡大されましたが、さらに今年の夏には300疾患へと拡大、対象の患者数も78万人から約150万人へと倍増されるなど大きく前進します。
今後さらに、難病の治療研究を進めるとともに、たとえ難病を発症したとしても、地域の中で尊厳をもった生活ができるよう、総合的な支援体制の確立が求められます。
介護保険制度見直し
今後の高齢社会の中で、地域における介護や医療等のサービスを一体的に受けられる「地域包括ケアシステム」の構築が急務となっています。
特に、介護の現場を支える介護人材の確保および処遇改善が喫緊の課題です。この点、来年度の介護報酬において、月1万2000円相当の介護職員の処遇改善が盛り込まれたことは、評価します。
来年度からの介護報酬の改定率がマイナス2.27%となりましたが、今後ますます給付費が増える中で、介護保険制度の持続可能性の観点から、必要なサービスを充実させつつも、適正化を図るべきところは図るというように、給付の重点化、効率化は避けて通れません。一方、赤字経営ギリギリで、一生懸命に介護サービスを提供してきた小規模事業者などが窮地に立つようなことがあっては、かえって介護提供体制が後退しかねず、適切な対応が必要です。
医療保険制度の改革
将来にわたって、安心の医療が提供でき、世界に誇る国民皆保険が堅持できるよう、国・県・市町村がそれぞれの役割をしっかりと果たしつつ、改革を着実に進めていかなければなりません。
また、今年1月から高額療養費制度が見直され、70歳未満の中低所得者、およそ4060万人の限度額が引き下げられました。公明党が長年主張してきたことであり、大きな前進です。
一方、月をまたぐ治療費は合算できないなど、残された課題もあり、引き続き改善が必要です。
がん対策
公明党は、がん対策基本法の制定をはじめ、がん検診受診率向上、治療法、緩和ケア、がん登録、がん教育、就労対策など進め、成果を上げてきています。
特に、検診受診率は、無料クーポンの導入、コール・リコールの徹底などで目標の50%まで、もう一歩となっており、さらなるテコ入れが必要です。
また、がん患者の方の就労に関しては、職場の認識不足などにより、働ける・働き続けたいという希望にもかかわらず離職せざるを得ない環境等があり、支援体制の充実が急務です。
がん教育の全国展開に向けては、医師などの外部講師の活用が不可欠ですが、特に医師の確保が課題であり、関係省庁間での協議による解決が望まれます。
がん対策基本計画に掲げた種々の目標達成に向けた施策を強力に推進し、国民の皆さまが、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会の構築をめざしていくべきと考えます。
固定価格買取、運用適切に
エネルギー・環境
昨年秋に、再生可能エネルギー発電事業者から電力会社への電力ネットワークへの接続申し込み量が急増したことにより、電力会社が接続への回答を留保する事態が発生しました。政府は固定価格買取制度の運用を見直しましたが、これにより再生可能エネルギー導入の促進にブレーキがかかることがないよう、適切な運用に努めるべきです。
電力システム改革は、いよいよ総仕上げの段階です。
送配電部門を法的に分離し、そのネットワークを電気事業者が公平に利用できることなどをめざした法案が今国会に提出されます。
改革にあたっては、安定供給・ユニバーサルサービスの確保に支障を来たすことがないよう十分配慮し、ガスシステム、熱事業システムも含めたエネルギー産業全体の改革を実現すべきです。
さらに、本年12月に開かれるCOP21において、温室効果ガス削減に向けた新たな実効性ある国際枠組みの合意ができるよう、日本が力を尽くすべきです。そのためにも、まずは6月のサミットに向けて、野心的な温室効果ガスの削減目標を含む約束草案の検討を進めていくべきと考えます。
法制整備は国民の理解必要
安全保障・外交
国民の命と平和な暮らしを守ることは、政治の責任であり、日本を取り巻く安全保障環境の変化に対応し、国と国民を守る安全保障法制を整備していくことは、重要な課題です。
昨年7月1日、今後の安全保障法制整備に関する基本方針が閣議決定されました。
法制整備にあたっては、この閣議決定に明記された、専守防衛をはじめとする平和国家としての基本理念や憲法第9条の下で許容される自衛の措置、さらに、同決定を受けて行われた7月14、15日の衆参の予算委員会における総理および内閣法制局長官の答弁に沿って進めるべきと考えます。
また、安全保障は、国民の理解のうえに立って初めて成り立つものであり、国民の十分な理解を得ながら進めることが重要だと考えます。
平和国家として
本年は先の大戦から70年、核兵器による被ばくから70年の節目を迎えます。この間、憲法の平和主義の下、戦後一貫して平和国家として歩んできたわが国は、国際社会から高い評価を得ており、こうした姿勢を今後とも堅持しつつ、さらなる信頼構築と国際貢献に努めるべきです。
なかでも中国、韓国との関係改善をはじめ、地域の安定と繁栄に積極的な役割を果たしていかなければなりません。
また、貧困や飢餓、感染症、災害などの脅威から人々を解放する「人間の安全保障」、さらには地球的な課題である環境保全や軍縮・不拡散などの分野においても、わが国の経験や技術を生かした取り組みで世界を主導するなど、平和国家としての外交姿勢をより明確に発信すべきです。
人口減少・超高齢社会に直面する日本において、「地域」が極めて重要となってきます。仕事をする場、生活の場、憩い・コミュニティーの場として、支え合い・助け合いながら協働して健康な日々を送っていく、その基盤が地域です。
公明党は、健康寿命を延ばすことはもちろんですが、その上で、「活動寿命」を延ばすことを提案しています。元気に働き、地域への貢献も果たしていく、生涯現役の生きがいにあふれた生活を送る―そうした「ひと」が主役の理想的な「地域社会」の構築こそが、真の意味の地方創生ではないでしょうか。
公明党は、国と地方のネットワークを生かし、地方創生、すなわち「ひと」が主役の「地域社会」の構築に、全力で取り組んでいくことをお誓い申し上げ、私の代表質問を終わります。
井上幹事長に対する安倍首相らの答弁(要旨)
【安倍晋三首相】
一、(農協改革について)意欲ある担い手と地域農協が力を合わせ、創意工夫を発揮して、ブランド化や海外展開など自由な経済活動を行うことにより、農業者の所得向上につなげていく。
一、(被災自治体の普通交付税について)行政運営の状況や今後の国勢調査の結果も踏まえ、算定基準が変わることで被災自治体の財政運用に支障が生じないよう政府としてしっかり検討していく。
一、(防災・減災対策を発信する「仙台会議」について)国連防災世界会議後、防災の主流化を定着させるため、国際社会に対しどのような貢献ができるか、提案も踏まえ、よく検討したい。
一、(難病対策について)難病患者が適切な診断・治療を受けられるよう拠点病院の整備など医療体制の整備とともに、相談支援の充実も図る。
一、(安全保障法制の整備について)憲法9条の下で許されるのは、あくまでも国民の幸せな暮らしを守るための必要最小限度の自衛の措置だけだ。わが国防衛の基本方針である専守防衛には何ら変更はない。与党としっかり相談しながら万全な法案準備を進める。
【太田昭宏国土交通相】
一、(防災・減災対策について)昨年改正した土砂災害防止法に基づき、危険箇所の基礎調査を概ね5年程度で完成させることを目標とし、都道府県への支援を強化する。