e山口代表の参院代表質問(要旨)
- 2015.02.19
- 政治/国会
公明新聞:2015年2月19日(木)付
先に成立した2014度補正予算に続き、15年度予算案を一日も早く成立させ、本格的な経済再生に向け、スピード感を持って切れ目のない経済対策を推進し、デフレ脱却を成し遂げていかなくてはなりません。経済の好循環を地方、中小企業、家計にまで届けていけるかが問われています。
一方、アベノミクスに関連して格差を指摘する声があり、経済全体を底上げしつつ、併せて格差是正にも目を配ることが必要です。多様な民意を幅広く受け止め、多くの国民が納得できる合意の形成、きめの細かい政治の実行へ、与党としての責任を果たすべく決意を新たにしております。
安倍政権においては、与党の政権合意に基づいて、震災復興と経済再生を最優先し、地方を元気にし、さらに社会保障を安定・強化させるなど、国民が望む政治の実現に政策を総動員して取り組むべきと考えます。
テロ対策
いわゆる「イスラム国」と称するテロ集団による卑劣なテロ行為によって、邦人2名が殺害されたことは、断じて許すことはできません。改めて心から哀悼の意を表するものであります。こうしたテロ行為が繰り返されることのないよう、国内対策はもとより、国際社会と連携したテロ資金の遮断や戦闘員の流入阻止などに取り組むことが重要です。
その一方で、わが国としては、難民への食料や医療の提供など伝統的に行ってきた人道支援をさらに進めるとともに、より根本的な解決のために、テロの温床となっている貧困や抑圧から人々を解放する「人間の安全保障」に立脚した支援を継続していくことも忘れてはなりません。
景気回復の勢い力強く
経済対策
16日に内閣府が発表した昨年10月~12月期のGDP速報値は、年率換算で実質2.2%増となり、昨年4月の消費税率引き上げ後、初めてプラス成長となりました。
一方で、景気回復のカギを握る個人消費や設備投資は小幅な伸びにとどまり、景気回復の勢いに力強さは見られないと指摘されています。
政労使の合意に基づき、協力して企業収益の増加を雇用の拡大、賃金の上昇、下請中小・小規模企業との取引価格適正化へとつなげ、経済の好循環を確かなものにできるかどうか、今年が正念場です。
15年度税制改正においては、本社機能移転促進のための税制、賃上げを促し家計支援につなげる所得拡大促進税制の要件緩和など、好循環の実現を後押しする環境を整えるとともに、地方創生に向けた取り組みを強化しました。
さて、昨年の総選挙において多くの国民の皆さまからご期待いただいた「軽減税率」の実現は待ったなしの課題です。食料品などの生活必需品にまで重い消費課税を強いることは、国民の消費意欲を損ない、消費増税に対する国民の理解を妨げることになりかねません。
与党は17年度からの軽減税率導入に向け、秋口までに制度案をまとめることで合意し、具体的な制度設計に着手しました。スピード感をもって議論を詰めていくことが、消費者・事業者ともに安心感をもたらすことになると確信いたします。
15年度予算案は、経済再生や地方創生への取り組みを強化する内容になりました。特に地方創生における経済政策は、都市部の大企業が成長し、地方がその恩恵を受けるという従来型の経済構造だけに頼るのではなく、地元発の産業が各地で生まれ、地域経済において自律的な好循環を生み出すという視点が重要です。
一方、財政健全化も避けて通れない重要な課題であり、本予算案において、目標であるプライマリー・バランス(基礎的財政収支)の赤字半減の達成を見込み、一般会計においても、中期財政計画上の目標を達成している点を評価いたします。国債発行額についても、前年度から4兆円超の大幅な減額を行っており、引き続き、経済成長による増収と歳出抑制をバランスよく取り込み、財政健全化を着実に進めるべきです。
地域の特色生かせる支援を
地方創生の取り組み
08年に始まった人口減少は、地方だけの問題ではなく、やがて都市機能にも重大な影響を及ぼすと指摘されています。今こそ官民挙げて真正面から立ち向かわなければ、危機的な状況に陥ることは明らかです。
そこで政府は、人口減少に歯止めをかけ、地方の活性化を推進する「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」と5カ年計画の「総合戦略」を策定しました。
そこで示された施策を進めていく上で大切なのは、地域が責任を持って、自ら知恵を絞り、実情に応じた戦略を立て、実行することです。地域住民の知恵と発想を柔軟に展開できる仕組みづくりが必要であると、公明党は一貫して訴え、全国の地方議員と共に取り組んできました。現場で生きる人々がその力を存分に発揮できる「人が生きる、地方創生」としていかなければならないと考えます。
豪雪地帯で知られる新潟県十日町市の事例を紹介します。同市では、過疎の山中にある廃校舎をレスリング道場に改築。それが世界トップレベルの女子日本代表の合宿所として注目を集めるようになり、地域に活力が生まれています。
また「地域おこし協力隊」では、任期終了後も約6割の隊員が同市に残り、家族も含めると退任者数23人を上回る28人が定住しています。
さらに、隣接する津南町とともに3年に1度「大地の芸術祭」を開催。およそ200の集落の地域そのものをキャンバスとして現代アートの作品展が展開され、世界中の芸術家や都会の学生が制作のために長期間泊まり込むほか、世界から多くの観光客が訪れ、地元産品の販路拡大などにもつながっています。
こうした施策は、市議会公明党も積極的に支援しており、自然の豊かさや地域の特色を生かした、さらなる地域活性化策にも取り組んでいます。
これなどは地方創生の意欲的取り組みの好例といえるでしょう。まさに「知恵は現場にあり」です。地方版総合戦略の策定においては、地域の特色を生かした新しい視点での政策が数多く生まれるよう、情報や財政、人的な側面を含め、国として最大限支援するよう強く求めます。
さらに、乳幼児医療費助成等の地方単独事業に対して、現物給付の場合、一般的に医療費の増大が見られることから、法定割合通りに徴収している自治体との間に不公平が生じるということで、ペナルティーとして国保の国庫負担金や普通調整交付金の減額算定措置が行われています。しかし今後、人口減少問題への意欲的・自発的取り組みを促し、国保の財政運営が都道府県に移行する方向であることに鑑み、こうしたペナルティーは見直すべきと考えます。
風化、風評に立ち向かう
復興の加速化
「心の復興」「人間の復興」―公明党は一貫して、被災地・被災者に寄り添いながら、全党挙げて取り組んでまいりました。
その一環として、あの大震災を忘れない、そしてがれきの山から立ち上がる力強い復興の姿を、写真を通して全国の皆さんに伝えたいとの思いから、「人間の復興へ」と題した写真展を全国巡回で開催しています。ご覧になった方から、「震災を風化させないためにも、このような企画が必要です」と評価をいただいています。
公明党は、「風化」と「風評」の二つの風にこれからも立ち向かってまいります。
震災から4年。15年度は、集中復興期間の最終年度となります。しかし、復興はまだ道半ばです。被災地はどの地域も、将来の復興計画に向けたスタートをようやく切ったというのが実情であり、まだまだ国の支援の継続は欠かせません。
復興が成し遂げられるその日まで、財源を含めて国が支援を継続する、そのメッセージを被災地の方々に向かって、いち早く送ることが何よりの希望へとつながるのです。
被災地における住宅再建・まちづくりが本格化する中、被災3県における災害公営住宅の早期供給を後押しする狙いから、被災3県の災害公営住宅の標準建設費が1月から引き上げられました。このように、復興のステージによって変化する被災地・被災者のニーズや要望を国がしっかりとくみ取り、被災自治体とも連携してタイミングを外すことなく、タイムリーに打ち出していくことが欠かせません。
一方、例えば法テラスにおける東日本大震災法律援助事業の延長など、政府がカバーできない部分は議員立法として、与野党を超えてしっかりと整備してくことも重要です。
福島の再生
福島の再生については、福島イノベーション・コースト構想の具体化に向けた動き、福島12市町村の将来像に関する有識者検討会の開催など、具体的な未来像の議論が進みつつあります。「ふるさとで早く暮らしたい」―かけがえのないふるさとへの帰還を今か今かと待ち望んでおられる方は少なくありません。その思いに応えていくために、健康・医療の問題、住まい・まちづくりの課題、雇用や産業の振興のあり方など、将来へのビジョンとその方策を、国と自治体が一体となって、より具体的に、早急に策定し、実行に移すべきです。
介護サービスの充実急げ
社会保障制度
消費増税10%への引き上げが延期され、社会保障の充実ができなくなると心配する声があります。しかし、難病に対する医療費助成の対象疾病拡大や、国民の3人に1人が負担軽減の対象になる高額療養費制度の改善が1月から始まっています。子育て世代の支援を拡充する「子ども・子育て支援新制度」は予定通り15年度から本格実施されます。政府は、社会保障の充実について丁寧な説明をすべきです。
地域包括ケアシステムの構築
「地域包括ケアシステム」は、高齢化がピークを迎える25年に備え、高齢者の住み慣れた地域で、医療、介護、生活支援サービスなどを一体的に提供するものです。わが党も地域包括ケアシステム推進本部を立ち上げ、政府に提言等を行ってきたところです。
同システムの構築に向けたポイントの一つが、地域医療介護総合確保基金の創設です。この基金は、介護サービスの充実と人材確保をめざし、介護施設の開設準備に必要な経費の助成や、多様な介護人材の参入促進などを推進するものです。今後、在宅での療養生活に伴う医療ニーズが高まるため、訪問看護ステーションの大規模化などを支援すると聞いています。
介護報酬改定
介護人材確保
先般、全体として2.27%引き下げる介護報酬改定の概要が公表されました。介護現場から撤退せざるを得ない事業所が出るのではないか、あるいは、介護職員の処遇改善加算が確保された、重度の高齢者や認知症高齢者の処遇について加算が付けられたといっても、人材不足から必要な人員の配置ができず、結果として加算が取れない事業所も多いのではないか、との声が出ています。結局は介護サービスの低下につながるのではないか、と危惧する声に、政府はどのように答えるのでしょうか。
また、介護現場における人材の確保は喫緊の課題であります。今回の介護報酬のマイナス改定で介護人材の確保策に影響が出るとの懸念も寄せられます。
さらに、今回の介護報酬改定では、介護事業所の収支差率ばかりがマスコミ報道されました。介護事業所、特に社会福祉法人の内部留保のあり方について、社会福祉法人改革として明確に示すべきです。改めて社会福祉法人などの会計のあり方を国民目線から明確にすべきと考えます。
認知症対策
政府がこのほど、国家戦略として認知症対策に総合的に取り組む「新オレンジプラン」を策定したことを高く評価したいと思います。中でも、認知症の早期診断・対応のため、医師や看護師などが自宅訪問をする「認知症初期集中支援チーム」を、今年度41市町村での実施から、18年度までに全ての市町村に設置する目標を掲げたことは画期的です。高齢化のスピードが世界一の日本における認知症対策は、世界でも注視されています。
生活困窮者対策
今年4月から施行される生活困窮者自立支援法に基づき、15年度予算案には400億円が計上されました。生活困窮者はさまざまな困難を抱えていますが、包括的な相談支援や就労支援等を実施することが重要と考えます。
働き方改革
政府は「働き方改革」の一つとして、時間ではなく成果で評価される制度を創設する方針ですが、サービス残業の合法化や長時間労働の常態化を招かないよう、慎重な制度設計が必要です。
また公明党は、労働者の健康確保が新制度の大前提であると一貫して主張してきました。対象となる業務や労働者を厳格に見極め、労働時間の適切な把握のもと、健康確保に有効な対策を講じるべきです。
また新制度とは別に、過重労働の防止は大変重要です。昨年は議員立法により、過労死等防止対策推進法を制定しました。長時間労働の抑制、有給休暇の取得促進など、法整備も含め幅広く対策を講じるべきです。
女性の活躍
「女性の活躍推進法案」が今国会に再提出される見通しですが、一日も早く成立させ、女性活躍の基盤づくりを政府を挙げて推進するよう望むものです。
また、女性の活躍の基盤はなんといっても健康です。「女性の健康包括的支援法案」(議員立法)の成立も実現させたいと思います。
女性の活躍が大きく後押しされる一方で、単身女性の3人に1人が貧困状態であると指摘する調査結果が注目を集めるなど、「女性の貧困」が社会問題となっています。
女性は男性より非正規雇用で働く人が多く、結果、男女の賃金格差が生じるなど雇用環境の整備が追い付いていないことなどが大きな要因です。「すべての女性が輝く社会」をめざすのであれば、光が当たる活躍推進だけでなく、社会の中で悪戦苦闘している人々の問題にも積極的に対応していただきたいと思います。
若者の雇用
若者が生き生きと働ける社会の実現に向けて、公明党は昨年、若者の雇用を促進する法律の制定を提案しました。先月、厚生労働省の労働政策審議会は、若者の雇用対策に関する初めての法律制定に向けた報告書をまとめました。若者の雇用不安を解消するような実効性ある法案にしていくべきと考えます。
そのためには、若者の使い捨てが疑われる「ブラック企業」等悪質な企業から若者を守り、若者を企業と適切にマッチングしていくために、離職者数や残業時間、有給休暇などの職場情報を企業が積極的に提供していくことが必要です。また、ハローワークや民間の職業紹介において、実態と大きく乖離する求人が横行するような事態も改善しなければなりません。
さらに、社会に一歩踏み出すことを躊躇してしまうような若年無業者に働くことについての自信と意欲を持たせ、就労に結び付けていく取り組みも拡充し、継続的に支援を行っていくべきです。
若者の育成・活躍なしに、将来のわが国の社会・経済の発展はありません。
奨学金の拡充
所得格差が教育格差につながっていると指摘されていますが、家庭の経済状況による学びの弊害や格差を減らす取り組みが重要です。とりわけ奨学金制度の拡充に、公明党は力を入れてきました。
15年度予算案において「有利子から無利子へ」シフトする流れが加速され、無利子奨学金は新たに1万9000人分が拡大されます。総理は施政方針演説で「将来的に、必要とする全ての学生が、無利子奨学金を受けられるように」すると述べておられますが、いつまでに実現しようとお考えか、お聞かせください。
併せて、所得連動返還型奨学金制度の拡充、大学生を対象にした返済不要の給付型の奨学金の創設を、強く要望します。
食の安全
食品への異物混入問題は、一義的には事業者による一層の取り組み強化が不可欠ですが、関係行政機関による適切な指導・監督等、いま一度、消費者目線に立った対策の強化によって、食品の安全・安心を確保することが重要です。
また、今般の内閣府機能の見直しにおいて、消費者委員会を消費者庁に移管すべきとの議論もある中、公明党の強い主張を受け、引き続き消費者委員会を内閣府に置くことが閣議決定されました。消費者委員会は独立した第三者機関であればこそ、消費者庁を含む関係省庁の消費者行政全般に対して意見表明を行うことができ、重要な役割を果たしております。
今後も監視・提言機能が抑制されることのないよう留意すべきと考えます。
緊急時対応について
ドクターヘリは救命率の向上に大きな成果を上げており、わが党の推進により07年に全国配備をめざす法律が成立して以来、着実に配備が進んでいます。年々ニーズが高まり、08年度に約5600件だった出動件数は、13年度には2万件を超えました。
一方、ヘリ操縦士の人材不足が深刻化しています。わが党の主張を受け、退職した自衛隊の操縦士が民間航空会社へ転身することが、昨年から再び可能になったものの、ヘリコプター操縦士は高齢化が進み、民間パイロットも不足。ドクターヘリだけでなく、自治体の消防・防災ヘリの出動にも支障が出始めています。
かつて航空大学校でヘリ操縦士が養成されていましたが、ニーズがないとの理由で1999年度から募集をやめたため、現在は公的な養成機関がありません。民間では免許取得まで高額な費用がかかり、それも操縦士不足の一因になっています。
養成には時間がかかります。ドクターヘリや消防・防災ヘリをはじめ新たなニーズが増大している今日、航空大学校での養成再開はできないものでしょうか。
また、ヘリ操縦士の育成・確保は喫緊の課題にもかかわらず、関係する省庁はそれぞれの事情を主張するばかりで前に進みません。ヘリ操縦士の需要者側がそれぞれ単独で養成する余裕もありません。
ここは縦割り行政の弊害を打ち破って、国として継続的養成の仕組みを確立すべきではないかと考えます。
日中韓の幅広い協力関係強化
安全保障・外交
戦後70年を迎える本年、わが国は、平和国家としての確たる歩みを継承しつつ、国際社会の平和と安定にさらなる貢献を果たしていくとの姿勢を、明確に発信することが重要と考えます。
まずは、中国、韓国との関係改善を進め、地域の安定と繁栄に積極的な役割を果たすべきです。日中関係では、昨年の首脳会談での合意事項である海空連絡メカニズムの早期運用開始などを具体化させ、日韓関係においては、国交正常化50周年を迎える本年こそ首脳会談を実現させ、未来志向の新たな関係構築を進める必要があります。
また、外務大臣は日中韓の外相会談を行い、首脳会談につなげる意欲を示されていますが、この三国の枠組みを活用して、貿易・投資、環境・エネルギーなど幅広い分野の協力関係を強化する総理ご自身の姿勢を期待したいと思います。
この地域の安定と繁栄を考える時、自治体間の交流拡大や草の根レベルでの民間交流を促進し、交流の層を厚くしていくことが重要です。例えば、日中、日韓、中韓の二国間で進めている既存の姉妹都市交流の中には、東京・北京・ソウルや山口県・山東省・慶尚南道のように三都市、三広域自治体が共通しているところも見られることから、日中韓の自治体間交流をさらに国も支援していくことで、共通課題の解決や地域の活性化に資する有効な取り組みになると考えます。
わが国を取り巻く安全保障環境が変化する中、海上保安庁や自衛隊の持つ技術や能力を国際的な安全保障環境の改善に生かすことは極めて重要です。
海上保安分野の国際協力について、海上保安大学校では、航行の安全、人命救助、災害対応、海賊対策、環境保全など海上保安能力の向上を図る「アジア海上保安初級幹部研修」など各種研修を行ってきました。また自衛隊では、東南アジア等の開発途上国への自衛官派遣等を通じ、人道支援や災害救援、海洋安全保障等の能力向上に資する「能力構築支援事業」を実施しており、これらの取り組みは各国から高い評価を得ています。
しかしながら、「アジア海上保安初級幹部研修」は3年間で4カ国18名の修了者を輩出しながら、民間資金で運営していたため3年間で終了してしまいました。昨年、わが党の衆参議員から、このような有効な取り組みは、国費で継続的に行い、アジアに海上保安協力のネットワークを形成すべきとの提案をいたしました。
以上のような平和国家にふさわしい取り組みをさらに充実させ、海洋秩序の強化や地域の安定にわが国が主導的な役割を果たしていくべきと考えます。
公明党は、地方議会から党勢を拡大し、国民の皆さまの声や現場の実態に即して、きめ細かな政策を実現してきました。その蓄積により今日の全国的ネットワークを形成するに至りました。公明党が連立政権の一翼を担うようになって、国政と地方の政治がしっかり結び合わされ、政策実現のサイクルが育まれました。このネットワークが政策の推進力として機能しており、連立政権において果たす役割は、より一層重要になっていると自覚を新たにしております。
「大衆とともに」という民主主義の基本ともいうべき立党精神を胸に、公明党は、連立政権の担い手として、国民の期待に応える政治の実現に全力を傾けてまいる決意を申し上げ、私の質問を終わります。
山口代表に対する安倍首相らの答弁(要旨)
【安倍晋三首相】
一、(財政健全化について)2020年度の財政健全化目標をしっかり堅持し、今夏までに達成に向けた具体的な計画を策定する。
一、(地方版総合戦略の策定について)地方の創意工夫を全力で応援するとの方針に基づき、情報提供や税制措置などを行い、地域の特色を生かした新しい政策づくりを支援する。
一、(介護報酬の改定について)社会福祉法人のいわゆる内部留保については、国民に対する説明責任を果たす観点から、客観的に明らかにする仕組みを構築していく。
一、(働き方の改革について)時間ではなく成果で評価する新制度創設に当たっては、健康の確保に十分留意することとしている。対象者に一定の休日を必ず与えるなどの措置を求める方針だ。
【太田昭宏国土交通相】
一、(ヘリコプター操縦士養成について)関係省庁とも連携し、航空大学校と民間の協力、航空大学校による民間養成機関への支援のあり方の観点から検討を行う。
一、(海上保安の国際協力について)アジア海上保安初級幹部研修の継続は、海上保安大学校に海上保安政策課程を創設する形で具体化する。アジア各国の初級幹部に対する国際法など高度な教育により、海上保安協力のネットワークを形成するものだ。今後も海上保安分野での国際協力を積極的に推進したい。