eコラム「北斗七星」

  • 2015.03.02
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年2月28日(土)付




<「いのち」の終りに三日下さい。母とひなかざり。貴男と観覧車に。子供達に茶碗蒸しを。>。ひな祭りのころになると思い出す手紙の文言。数年前、朝日新聞の連載『家族』で知った「日本一短い手紙」の一つだ◆「人は手紙を書くとき、真剣に相手と、そして自分と向かいあう」(ノンフィクション作家の春名徹)。だから、「今、会って話しておかなければ。」との帯の文句に引かれて志村ふくみさんと石牟礼道子さんの「『遺言』対談と往復書簡」(筑摩書房)を求めた◆石牟礼さんが祖父を語ったくだりがあった。道路工事などした石工の棟梁。「世の中が開ける、最初の手助けをするんだという気持ちだった」と祖父の心を代弁する石牟礼さん。「根石を埋けるのが一番大事ぞ」という祖父の言葉を幼いながら覚えていた、と◆「根石」は道路の一番下に敷く石。上からは見えない。それを「疎かにしたら地崩れするぞ」と言う祖父は、「人は一代、名は末代ぞ、そういう仕事をせにゃならん」と。新しい時代を開く先人の熱い息吹が伝わってくる◆公明党でいえば、「根石」に当たるのは「議員のネットワーク」か。それを一層強化する戦いが来る統一地方選。次の50年への緒戦でもある。断じて負けられない。「名は末代」との思いで勝利してまいります。(六)

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