eコラム「北斗七星」

  • 2015.03.03
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年3月3日(火)付




小学校の同窓会を開いたという知人に会った。6年間、学び遊んだ思い出の学舎が今月末で廃校になるからだ。孫のいるようなおじさん、おばさんが大勢集まり、ワイワイガヤガヤ昔を懐かしんだと語っていた。地方の話題ではない。東京・杉並区の話だ◆今、小・中学校の9年間を「6.3制」という枠にとらわれず一体的に学ぼうという「小中一貫教育」が全国で試験的に実施されている。ただ、その多くは学校が別々にある施設分離型である。これに対し、知人の卒業した小学校は4月から他の小学校と一つの中学校と統合し、「施設一体型」の学校に生まれ変わる◆そこで、施設一体型のメリットは何だろうという話になった。小・中学校の先生の職員室が"同居"する。小学校と中学校の先生が同じ部屋で仕事をするのである。これなら子どもの情報交換が今よりはるかに進むはずだ◆9年間を見通した学習計画も立てやすくなるだろう。勉強嫌いや苦手な科目を持った児童への早い時期からの対応が期待できるし、さらには得意分野のある児童・生徒へのサポートも大いに期待したい◆連日、中学一年生殺害事件が報道されているが、いい家庭環境、社会環境があってこそいい子どもは育つだろう。その重要な環境の一つが学校である。生まれ変わる学校が大成功してほしい。(流)

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