eコラム「北斗七星」
- 2015.03.06
- 情勢/社会
公明新聞:2015年3月6日(金)付
野球ファンにとって3月はワクワクする月だ。21日には春の高校野球が開幕する。ただ、寒冷地の球児にとって土の上を縦横無尽に動き回る選抜高校野球は、羨ましい光景でもある。室内グラウンドを備えた有力校はともかく、多くの高校では体育館で基礎体力づくりをしながら雪解けを待つ時期。ここではグラウンドの土が日に日に見えてくるのが"ワクワク"なのだ。今年もハンデをはね除け力強い試合を見せてほしい◆オープン戦がスタートしたプロ野球の今年の話題の中心は、なんといっても日本球界に復帰した黒田投手。米国での巨額契約金を蹴り、自分を育ててくれたチームに恩返しがしたいと広島に帰ってきた。金、金という風潮がある中、もっと大切なことがあることを子どもたちに教えてくれた◆米国では42歳になったイチローが元気。今年から所属するマーリンズ入団会見で彼は「(ファンに)応援よろしくお願いします」と呼び掛け、一拍おいて「とは、絶対に言いません」とキッパリ。応援していただけるような選手であるために努力すると力を込めた◆負けない心、感謝、努力―野球に限らずスポーツは、健全で強い心を育ててくれる絶好の場◆東京オリンピックを契機にスポーツ大国・日本をめざす動きが盛んになってきている。さらに加速させたい。(爽)