e地方の私大、機能高めよ
- 2015.03.09
- 情勢/社会
公明新聞:2015年3月7日(土)付
学生の地元就職促せ
衆院予算委で稲津氏
衆院予算委員会は6日、安倍晋三首相らが出席して「地方創生など」に関する集中審議を行い、公明党の稲津久氏が質問に立った。
この中で稲津氏は、大学進学で若者の流入が流出を上回る都道府県が京都や東京など10都府県にとどまっているのに対し、流出超過は37道県に上っている実情を指摘【グラフ参照】。
また、首都圏の大学卒業生の75%以上が東京都や埼玉、千葉、神奈川3県の企業などに就職している実態に触れ、「都市部の大学に進学しても地方に就職を促すことや、地方大学が地元就職を支援する事業、特に地方の私立大学の機能強化が地方創生を考える上で重要だ」と強調した。
安倍首相は、地元企業に就職した卒業生の奨学金返済免除などを通し、「地方の私立大学への進学や地方企業への就職を促進し、地方への新しい人材の流れをつくっていく」と答えた。
公明党が強力に推進してきたプレミアム付き商品券の発行について、稲津氏は、小規模な店舗でも使えるようにするなど各地域で工夫を凝らした取り組みが進んでいる現状に言及し、「消費喚起、経済効果があるのは間違いない」と力説。
さらに、2014年度補正予算に盛り込まれた、地方創生のための交付金に関して「農林水産業や観光などの仕事をつくっていくことを考えると、県と市町村が連携するなどして(広域的な)仕事づくりをするための計画(策定)、交付金の使い方をするべきだ」と訴えた。
自治体の財政格差なくすため、交付税制度見直しも
一方、人口が増えている自治体では一般財源も増えている状況を明らかにした上で、「人口が増えて財源が潤う地域と、人も金も減っていく地域の二極化が進んでいる」と指摘するとともに、都道府県税の徴収実績を踏まえ「自治体間の財政力の格差が顕著になっている」と強調。
地方財政を確立するためには、自治体間の財政格差の縮小が欠かせないとして、「(自治体間の)財政調整をしっかり効かせる制度に地方交付税を見直すべきだ」と提案した。
高市早苗総務相は、地方交付税の制度を見直し、財政調整機能を強化する意向を示した。