e衆院予算委分科会の質疑<上>
- 2015.03.12
- 政治/国会
公明新聞:2015年3月12日(木)付
10日の衆院予算委員会で行われた分科会質疑での公明党議員の論戦を3回にわたって紹介する。
復興財源 確保すべき 真山氏
第1分科会で真山祐一氏は、東日本大震災の集中復興期間が2016年3月で終了することについて、「被災地の復興は道半ばであり、国が支えるべきだ」と強調し、集中復興期間後も十分な財源を確保するよう求めた。
竹下亘復興相は、国の財政が非常に厳しい状況にあるが、「被災地の皆さんが安心感を持って、復興に取り組む姿をつくるのが私の仕事だ」として、今後必要になる復興財源を「必ず確保する」と明言した。
一方、真山氏は、公明党が岩手、宮城、福島の被災3県で被災者を対象に実施した意識調査で、仮設住宅居住者の34%が「生きがいがない」と回答したことに触れ、被災者への心のケアの必要性を訴えた。
介護福祉士確保へ 特例校は必要 角田氏
第4分科会で角田秀穂氏は、介護福祉士養成課程を置く福祉系高校のうち、卒業後9カ月の実務に就くと国家試験を受けられる特例高校制度が2013年度入学者で終了したことについて、「特例高校の国家試験合格率は高い。介護福祉士確保の上でも存続すべき」と主張した。文部科学省の小松親次郎初等中等教育局長は、厚生労働省が16~18年度入学者を対象に、特例高校制度を再実施する方針を明かし、「実現に協力していきたい」と答えた。
また角田氏は、開発などに伴う埋蔵文化財の発掘調査費用が事業者負担であることから、費用負担を避けるために調査を行わない事例があることを指摘。「現在の文化財保護法では、事業者負担の明確な基準がない」と述べ、発掘費用補助など支援充実の必要性を訴えた。
償却資産課税 見直しは慎重に 中川氏
第2分科会で中川康洋氏は、企業の償却資産に対する固定資産税(地方税)に関し、機械や装置の新規設備投資分を非課税にするなど抜本的な見直しの議論があることに言及。「地方財政に対する影響は甚大で、安定的な財政運営が行えなくなる」と、抜本的な見直しを行わないよう求めた。高市早苗総務相は、地方の意見を踏まえた「総合的な議論が必要」と答えた。
さらに中川氏は、来年1月から利用開始となる社会保障と税の共通番号(マイナンバー)制度について、自治体が運用に向けてシステムを改修するに当たり、対応可能な業者が少なく費用が高止まりしている地域がある現状を指摘した。
総務省の佐々木敦朗自治行政局長は、今年度補正予算の補助金などを活用し「準備を進めてほしい」と述べた。
飲酒運転の撲滅急げ 吉田氏
第1分科会で吉田宣弘氏は、飲酒運転の罰則を強化する道路交通法改正につながった、2006年の福岡県での重大事故に触れ、飲酒運転撲滅に向けた国の取り組みを聞いた。
吉田氏は、飲酒運転を2度犯した人に対し、アルコール依存症診断の受診を義務付けることなどを柱とする福岡県の条例を紹介。その上で、「これまでにない、新たな対策を講じなければならない」と訴えた。
これに対し、有村治子内閣府特命担当相は、16年5月末までに「アルコール健康被害対策推進基本計画」を策定する意向を示し、「計画的に飲酒運転防止に向けた施策を遂行する」と述べた。
また吉田氏は、性犯罪被害者の救済にも力を入れるよう求めた。