eふるさと名物 地域資源の発掘で経済活性化を
- 2015.03.16
- 情勢/解説
公明新聞:2015年3月14日(土)付
その地域ならではの特産物の商品化や販路開拓をめざす「ふるさと名物応援事業」の取り組みが動き出している。
同事業は、公明党の提案により2014年度補正予算(40億円)と15年度予算案(16億円)に盛り込まれた政策である。事業にはいくつかの支援メニューがあり、特産品の販路開拓に出す広告費などに対して1000万円を上限に補助したり、地域ブランド化のための経費を最大2000万円まで補助する。
一部の支援メニューは既に募集を締め切ったが、販路開拓や地域ブランド化への補助金は、4月上旬まで事業者の公募が行われている。
全国各地には農林水産物や工芸品など優れた地域資源がありながらも、住民がその価値に気が付かなかったり、活用方法が分からず、ビジネスチャンスに結びついていないケースは珍しくない。眠っている「地域の宝」を掘り起こせば、観光振興など地域経済の活性化につながるだけに、多くの企業に事業を利用してほしい。
地域資源の活用が進まない要因は、個別の企業の取り組みにとどまりがちなことだ。地域全体の視点に立った発想が欠かせない。
例えば、人口1000人弱の高知県馬路村は、地元農協が開発した、ゆずドリンクのユニークなコマーシャルを放送したことがきっかけで、全国的なヒット商品になった。村のイメージアップにも大きく貢献し、ゆず加工品で100人程度の雇用創出効果があったという。コマーシャル費用の一部を補助した村の決断が、好結果につながったといわれている。
特産品の振興には、大学などの機関の知恵や力を借りることも重要だろう。
島根県美郷町比之宮地区では、地域で栽培される果実、ポポーを使ったアイスの開発に広島市立大学の教授・学生が市場調査などで協力し、商品のヒットに貢献した。岐阜県海津市が、地元農協と愛知県の私立大学と共同し、これまで市場に流通せず破棄されていた規格外の柿を活用した柿酢の研究開発を進めている例もある。
産学官の連携も積極的に広げ、ふるさと名物の開発・販売を進めてはどうか。