e里親、養子縁組の普及を

  • 2015.03.19
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年3月19日(木)付




参院予算委で荒木氏

高齢者住宅 届け出促せ




参院予算委員会は18日、2015年度予算案に関する一般質疑を行い、公明党の荒木清寛参院政策審議会長が、虐待などで実の親による養育が困難な子どものために、家庭的な社会的養護の推進を訴えた。


この中で荒木氏は、実親子関係に準じる「特別養子縁組」を前提として、新生児を里親に委託する愛知県の取り組みを紹介。早い段階での委託は「望まない妊娠による出産で養育できないなど、保護者の意思が明確な場合に有効だ」として、各地での推進を求めた。塩崎恭久厚生労働相は、15年度に新生児段階の委託の詳細な実態調査を行うと説明し、「その結果を踏まえ検討する」と答えた。


また荒木氏は、養子縁組を希望する里親には現在、義務付けのない研修受講の義務化を提案した。併せて、特別養子縁組の成立に必要となる6カ月以上の監護(子どもの監督・保護)期間について、法律上の子ではないため「育児休業の取得が困難だ」と指摘。養子縁組をしない「養育里親」も含めて育休を認めるよう主張した。塩崎厚労相は、育児・介護休業法の見直しに関して研究会が現在開かれているとして、その中で「検討していく」と述べた。


一方、障害基礎年金の申請で、傷病の初診日を証明する書類が必要となる点について荒木氏は、初診から長期間経過して障がいが認定される慢性疾患や精神疾患では、資料が整えられない事態もあるとして「弾力的な運用を」と要望した。


さらに荒木氏は、名古屋市で今月起きた、有料老人ホームとして届け出ていない高齢者向け集合住宅の火災事故に言及。14年10月現在、全国8916のホームが都道府県、政令市などに届け出ている半面、911件の未届けが確認されている実態を踏まえ、届け出を促して行政の指導監督が行き渡るよう要請した。塩崎厚労相は「都道府県と連携していく」と応じた。


このほか荒木氏は「中小企業などへのロボット導入の促進を」と強調。安倍晋三首相は「規制改革や標準化で安く導入できる環境を整備するとともに、中小企業500社以上をめざしてロボット導入コンサルタントを実施する」と答えた。

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