eコラム「北斗七星」

  • 2015.04.01
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年4月1日(水)付




間近に迫った統一地方選だが、その投票率は第2回(1951年4月)以来、ほぼ一貫して下がり続けている。特に気になるのは若い層の低投票率だ。大学キャンパス内に期日前投票所を設置するなど、各地の選挙管理委員会も啓発活動に知恵を絞る◆ちょっと興味深い報告がある。横浜市選管が10年前に地元大学と行った共同研究で、横浜市議選での20歳代の投票行動を分析、投票率向上の道を探った。その結論の一つが、実際に投票に行くように動機付けた中で、もっとも有効だったのは「家族や友人から聞いた」ことだった◆家族や友人から聞いた20歳代が7割投票に行ったのに対して、聞いていない人は5割強しか行かなかった。家族・友人が語れば、投票に行くのだと分かる。支持政党を持たない割合が7~8割を占める世代。つまりは、選挙に関する具体的情報が届いていないのではないだろうか◆一方で、高投票率を保ってきた60歳代以上のシルバー層も、ここ2回の衆院選では急激に低下。社会全体で高齢者間の関係が急激に希薄になっていることが影響しているのではないか、との指摘もある◆若者もシルバー層も、近しい人からの働きかけが、その人を投票所に導くということでは共通する。あきらめないで、ていねいに語ること。改めて肝に銘じたい。(繁)

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