e危険ドラッグ 販売店一掃の大阪府会公明に学べ
- 2015.04.08
- 情勢/解説
公明新聞:2015年4月8日(水)付
危険ドラッグのまん延防止策の効果が見え始めてきた。大阪府内の危険ドラッグ販売店舗数が、先月末時点でゼロになったことが分かったからだ。
府によると、ピーク時は73店舗に上っていたが、府独自の規制条例が制定された後は減少傾向に転じていた。政府の規制や、捜査当局による取り締まりの強化も奏功したとみられる。
条例は、府議会公明党の強力な推進によって制定された。2012年、危険ドラッグの使用が社会問題化する中、公明党の議員が議会質問で規制条例の制定を繰り返し訴えていた。府側は当初、規制法である医薬品医療機器法(当時、薬事法)に対する条例の上書き権は認められていないことを理由に、制定に消極的な姿勢を示していた。
ところが、府内で危険ドラッグ使用者による事故が相次ぎ、府は方針を転換。同年11月、購入や使用などに対する罰則や警察による立ち入り調査の実施規定を盛り込んだ「大阪府薬物の濫用の防止に関する条例」を全国で初めて制定、12月に本格施行させた。
大阪府のように、独自に規制条例を定めているのは、21都府県と東京特別区の2区にとどまる。未制定の自治体でも大阪府の取り組みを参考に、危険ドラッグの対策を本格的に進めてもらいたい。
警察庁の調査によると、最も多い入手先は「店舗」なので、販売店舗の一掃は撲滅に向けた大きな一歩といえる。ただ今後、業者がインターネットや電話を使った販売手法に移ることは十分に予想される。政府や自治体は、捜査当局と連携を密にし、あらゆる取引方法を想定し、撲滅に向けた対策を講じる必要がある。
国内に持ち込まれる水際対策も重要だ。危険ドラッグの原材料となる指定薬物の多くは海外から調達され、原料の密輸事件も相次いでいる。
公明党は、指定薬物を輸入する際の検査体制の強化を国会審議などで主張、その結果、違法に持ち込んだ場合に罰則が適用される改正関税法が3月末に成立、4月から施行された。政府は、水際対策に当たる税関職員を緊急増員した。強化された監視体制を生かし、違法薬物の流入阻止に万全を期してほしい。