e「地方創生」追い風に 中小企業を活性化
- 2015.04.22
- 情勢/経済
公明新聞:2015年4月22日(水)付
上向く地域経済 設備投資の機運高まる
需要創生法案に大きな期待
自公政権による地方創生の取り組みが広がり、中小企業を取り巻く環境の改善に期待が高まっている。
地域経済報告の景気判断13日に発表された日銀の地域経済報告では、東海、北陸、近畿の3地域が、1月よりも景気判断を引き上げた【表参照】。残る6地域も「緩やかな回復を続けている」などとされ、全地域で景気が回復基調にあることが確認された。
日銀大阪支店の発表によると、近畿地方では2014年の中堅・中小企業による設備投資は前年比18%の増加。先行きも「好調な企業収益を背景に、製造業を中心に積極的な設備投資が続く」と見ており、名古屋支店などとともに強気の見通しを示している。
企業の設備投資を進めやすくしているのが、自公政権が進める「ものづくり・商業・サービス革新補助金」の影響である。同補助金は、中小企業の設備投資に必要な費用の3分の2(上限額1000万円)を国が負担するもの。民主党政権時に事業仕分けで一度廃止されたが、自公政権で復活させた。これまで過去2年間で約2万5000件が対象に選ばれ、経営者に喜ばれている。
このほか、中小事業者からは、今国会に提出されている中小企業需要創生法案の成立も望まれている。
同法案は、創業10年未満の中小・小規模事業者が自治体の仕事を受注する機会を増やすための官公需法案など3法案からなる。需要創生法案には、観光資源や農作物などの地域資源の活用に自治体が積極的に関与し、地域経済に広く波及効果を与えるための中小企業地域資源活用促進法改正案も含まれる。
需要創生法案は、昨年の臨時国会で、衆院において全会一致で可決されながら、参院では民主党と共産党の審議拒否により廃案に追い込まれた。しかし、自公政権による経済政策の恩恵を地域や中小企業に届けるものだとして期待は根強い。
地域の民間金融機関にも、中小企業支援の流れは広がっている。地銀の中には、地方創生に取り組む中小企業に特化した融資制度を創設したところや、県と共同でファンドを立ち上げ、中小・ベンチャー支援に取り組む事例もある。
自公政権は12年12月の発足以来、中小企業対策予算を3年連続で増額してきた。さらに、産官学に加え、地域の言論界や金融、労働界を巻き込む地方創生の取り組みは、着実な広がりをみせる。こうした取り組みを追い風に、国内企業の9割を超える中小企業が活力を取り戻し、景気回復のエンジン再起動につながることが待たれている。