eコラム「北斗七星」

  • 2015.04.30
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年4月29日(水)付



きょうは「昭和の日」。「昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日として8年前に制定された国民の祝日である◆昭和は64年。歴代元号の中で最長で、第2次大戦が終結した1945(昭和20)年を境に近代と現代に区切ることがあるが、近代日本の分水嶺とされた出来事に昭和7年の犬養毅首相が官邸で海軍青年将校の凶弾に倒れた「5.15事件」がある◆事件が歴史の分水嶺とされたのは、犬養内閣の総辞職により憲政の常道(政党政治)は終わりを告げ、軍国・日本へ転落していったからだ。犬養の「話せば分かる」と、青年将校らの「問答無用! 撃て!」。対話と暴力の深い亀裂が、昭和ファシズムの台頭を許した◆犬養は「暴力に対する理性の優位」を信じ続けた政治家だったといわれる。昭和を顧みる中で、時代を動かす対話の重要性を学ぶのも意義があろう。世界の歴史において東西冷戦を終結させたのもレーガンとゴルバチョフの直接対話だった◆戦争もテロも、暴力は対話拒絶から生まれる。対話は人と人、心と心を結びつける。不信を信頼へと変え、不可能を可能にする。今回の統一地方選で「対話の力」を痛感された方も多いことだろう。きょうから大型連休。ゆっくりと選挙戦の疲れを取りながら、心軽やかに友と語らい友好の輪を広げていきたい。(鈴)

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