e地方創生を国民が評価

  • 2015.05.01
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年5月1日(金)付



統一選結果識者に聞く
日本大学教授 岩渕 美克氏



投票率向 上に重要 公明が貫く「地域密着」の政治


―今回の統一地方選では何が問われたか。


岩渕美克・日本大学教授 統一地方選は、国政選挙がない年に実施されることが多いため、「国政の中間選挙」といった色彩が濃い。


その観点からいえば、自公政権の発足で安定した政治の成果が地方にまで行き渡っているか。例えば、自公政権は、地方創生に向けた政策を多く打ち出してきたが、その方向性が正しいかが問われた。


自公両党とも堅調だった結果を見る限り、打ち出した政策の方向性が一定程度、有権者から理解されたのではないか。


―有権者は公明党をどう見たか。


岩渕 国政で自民党の"タカ派"的な傾向が強くなる中、それが行きすぎないよう与党内で抑える公明党の役割を高く評価したのは間違いない。地方政治でも、同様の役割を公明党に果たしてもらいたいという期待感は強い。


今回、公明党が勝利できたのは、自民党が提示した政策を修正し、幅広い国民の理解を得やすくしてきた取り組みが支持された結果だろう。


―自民党が堅調さを維持する一方、民主党は伸び悩んだ。


岩渕 国政の影響が響いたと見ている。自民党は国政での勢いを地方選でもそのまま維持した格好だ。


これに対し、多くの有権者は、いまだに民主党の政治姿勢の"ブレ"に不安を抱いている。それを払しょくできないことが民主党の弱さだ。


―統一地方選では、低投票率などの課題も浮き彫りになったが。


岩渕 全体的に関心が薄く、無投票当選が多かったのは、民主主義国家の選挙としては残念だ。


このままでは、政治の担い手が減ってしまう。特に、将来の国や地域を担う若者の政治への関心を高めていかなければならない。


―低投票率の要因は。


岩渕 政治への信頼感や期待感が頭打ちになったのではないか。その上で懸念しているのは、地方議員が単なる国とのパイプ役としか見られていないことだ。その地域の中で解決できる課題について、地方議員の取り組みが見えてこない。


道路整備など住民に身近な課題の解決に汗を流す地方議員は少なからずいるが、それが有権者に伝わっていないのが実情だ。


その結果、「国会議員さえ選べばいい」といった感覚が強くなっていけば、中央集権的な国家になりかねない。地方議員の仕事が有権者の目に見えるようにすることが求められている。


公明党のように、地方議員を増やして国民に密着した政治を貫きながら、その取り組みを国政に広げていく姿勢が大事だ。

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