e土砂災害の避難指針 住民への確実な情報提供を

  • 2015.05.12
  • 情勢/解説

公明新聞:2015年5月12日(火)付



今年は例年にない早いペースで台風が発生している。きょう12日、沖縄県や鹿児島県・奄美地方に接近し、あす以降、本州の南を北東に向けて進むと予想されている台風6号に加え、9日には台風7号が発生。気象庁によると、5月上旬までに七つの台風が発生するのは、64年前の1951年に統計を開始して以来、初めてであるという。


今後、各地で激しい雨が降る恐れがある。特に、土砂災害には十分な警戒が必要だ。


2014年版防災白書によると、過去10年間(04~13年)の土砂災害発生件数は、年平均で1000件を上回るという。


昨年8月、広島市北部の安佐北区や安佐南区の住宅地を襲った土砂災害は記憶に新しい。74人が犠牲になるなど、甚大な被害が生じた。都道府県と気象庁が発表する土砂災害警戒情報が出ていたが、市の避難勧告の判断に結び付かなかったことが問題として指摘された。


そのため、公明党が強力に推進し、成立させた改正土砂災害防止法には、土砂災害警戒情報の市町村や住民への伝達・周知を義務化する規定が盛り込まれている。


同法に基づき、国土交通省は先月、災害情報を確実に住民に知らせ、避難を行える体制を整備するための「土砂災害警戒避難ガイドライン(指針)」の改訂版を発表。自治体は同指針を参考に、体制整備を急いでほしい。


同指針は、行政が積極的に情報提供する「知らせる力」と、住民が情報を把握する「知る力」が重要であると強調している。住民一人一人が土砂災害の特質と危険性を理解することが、警戒避難体制の整備に向けた「第一歩」であるとも訴えている。


この指針は、土砂災害の「前兆」と住民が感じた情報の活用を重視。住民が通報した情報を生かす体制構築の必要性を指摘している。

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