e「平和安全法制」閣議決定

  • 2015.05.15
  • 政治/国会
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公明新聞:2015年5月15日(金)付



9条の下、専守防衛を堅持



政府は14日夕に臨時閣議を開き、国民を守るための切れ目のない安全保障体制を整備するとともに、国際社会の平和と安全へ日本らしい貢献を進めるため、「平和安全法制」の関連法案を閣議決定した。同法案は、憲法第9条の下で専守防衛を堅持し、国民の命と平和な暮らしを守り抜くための法整備に取り組む方針を定めた昨年7月の閣議決定に基づき策定された。政府は15日に衆院へ提出し、今国会での成立をめざす。



隙間なく国民守る体制を構築



「平和安全法制」の関連法案は、自衛隊法など10の法律の一部改正を一括した「平和安全法制整備法案」と、新法の「国際平和支援法案」の2法案からなる【別掲】。


このうち武力攻撃事態法の改正案は、日本への武力攻撃が発生した場合に加え、日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した場合にも自衛隊に武力行使を認める。ただし、公明党の主張を踏まえ、昨年7月の閣議決定で示された憲法第9条の下で許される「自衛の措置の新3要件」が全て法文に明記されたことで、武力の行使は日本防衛、国民を守るために他に手段がない場合に限られる。他国防衛が目的の集団的自衛権の行使は認めていない。


さらに、警戒監視や共同訓練など、日本の防衛のための活動を現に行っている米軍等の部隊の武器等防護を自衛隊が実施するための自衛隊法改正や、日本の平和と安全に重要な影響を与える事態への対処を定めた周辺事態法の改正で、米軍等への後方支援を拡大するなど、日本を守る隙間のない体制を構築する。


一方、国際貢献については、国際社会の平和と安全のために活動中の外国軍隊に対して、自衛隊が後方支援を行うための「国際平和支援法案」を新法として整備する。自衛隊の海外派遣に当たり公明党は、(1)国際法上の正当性(2)国民の理解と国会関与など民主的統制(3)隊員の安全確保―の3原則を掲げ、特に新法に基づく後方支援は国連決議を絶対条件とし、国会の「例外なき事前承認」を義務付けるなど、厳格な歯止めをかけた。


閣議決定に先立つ14日午前、昨年5月以来35回の党内議論を重ねた公明党は、東京都新宿区の党本部で中央幹事会を開き「平和安全法制」の関連法案を了承。その後、自民、公明両党は衆院第2議員会館で「安全保障法制整備に関する与党協議会」(座長=高村正彦自民党副総裁)の第25回会合を開催し、同法案について正式に合意。与党政策責任者会議でも了承した。


自公両党の手続きを受け、公明党の北側一雄副代表(与党協議会座長代理)は同日昼、高村副総裁と共に首相官邸で安倍晋三首相らと会談。安倍首相が「熟議をして問題を掘り下げ、しっかりとした法体系にしていける議論をしていただいた」と謝意を述べたのに対し、北側副代表は「安全保障は日常性にあまり関係のない事柄で、難しい言葉も多い。国民に分かりやすく説明をしてもらいたい」と求めた。



首相 "戦争法案"は全くの誤り



安倍晋三首相は14日夕、「平和安全法制」の関連法案の閣議決定を受けて首相官邸で記者会見し、「国民の命と平和な暮らしを守り抜く決意の下、日本と世界の平和と安全を確かなものとするため閣議決定した」と力説した。


安倍首相は、日本をめぐる安全保障環境が厳しさを増している現実を指摘し、法制の整備で日米同盟に基づく抑止力を高める必要性などを指摘。


日本近海で日本のために活動する米軍が攻撃を受けた場合を例に挙げ、「そうした状況は、ひと事ではなく、私たち自身の危機だ」として自衛権を行使できる考えを示し、行使には「三つの要件による厳格な歯止めを法律案の中に定めた」と述べた。


その上で、米国の戦争に巻き込まれるのではないかとの批判に対して「そのようなことは絶対にない」と強調し、「"戦争法案"などといった無責任なレッテル張りは全くの誤りだ」と語った。


また、今回の法整備に基づいて、自衛隊を国際貢献のために外国軍隊の後方支援として海外派遣した場合も、「武力の行使は決して行わない」と明言した。

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