eコラム「北斗七星」

  • 2015.05.21
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年5月21日(木)付



三宅義信氏と言われて「金メダリスト」と、すぐ分かる人は50代後半以上の人ではないだろうか。1964年の東京五輪、日本人第1号の金メダルを重量挙げで獲得し、日本選手団に"やらんかな"の息吹を吹き込んだ往年の名選手だ。最近の人にはロンドン五輪の銀メダリスト三宅宏実の伯父と言ったほうが分かるかもしれない◆同氏は今月14日、重量挙げのマスターズ選手権に昨年に続いて出場、2位に入った。しかも今回は胃がんが再発、20日に手術という中での出場だった。2020年の東京五輪へ向けウエートリフティング界に活力を呼び込むための現役復帰で、周りの心配をよそに「(選手権)欠場? ないないない!!」と笑顔で応え参加、バーベルを高々と上げた◆「オリンピックが東京にもう一度来てくれたら、恩返しができる」と常々言っていたというが、現役復帰もその一つなのだろう。自身を輝かしてくれた五輪のすばらしさを後輩に伝えたいという"75歳の青年"の熱い思いは、病魔をも吹き飛ばした◆公明党の推進でスポーツ庁が10月に発足する。事なかれ主義でなく、少々の失敗は恐れずスポーツ大国・日本の礎を築く良案を捻りだしグイグイと推進してほしい◆第二、第三の三宅義信を輩出するためにも、"民官"一体となって同庁を成功に導きたい。(爽)

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ