e仕事辞めずに助かった

  • 2015.05.22
  • 生活/生活情報
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公明新聞:2015年5月22日(金)付



子育て支援新制度を活用

障がい児向けに訪問保育


都内NPO新たな試み 低料金、最長8時間まで


今月中旬、都内のAさん(女性、会社員)宅に、障がい児向け在宅保育事業「障害児訪問保育アニー」の保育スタッフと看護師が訪ねた。Aさんの子どもBちゃん(2歳女児)は、生まれつき体の発育が遅く、食事を胃ろうから経管栄養で取る必要もある。Aさんは出産後、復職するためにBちゃんを預かってもらえる保育所を探したが障がいを理由に入所を全て断られた。Aさんは、「育児休暇や介護休暇も使い切り、いよいよ仕事を辞めなくてはならないと絶望した。そんな時、訪問保育の存在を知り、助かった」と語る。


同事業を展開するNPO法人フローレンス(東京都千代田区、駒崎弘樹代表理事)の障害児保育事業部の大木菜穂子さんは、「公的保育において障がい児の長時間保育は受け入れを拒否されるケースがほとんど。保護者は仕事を辞めざる得ない」と指摘。「全ての母親が子育てと仕事を両立させるためには、見過ごされがちだった障がい児保育に配慮した制度の拡充が欠かせない」と訴えている。


4月にスタートした「子ども・子育て支援新制度」は、誰もが産み育てることができる環境を整備するため、地域における保育や幼児教育などの質と量を拡充するのが狙い。


新制度では、小学校就学前の施設として、これまでの幼稚園と保育所に加え、教育・保育両方の機能を併せ持つ認定こども園の普及を図る。また、新たに小規模型保育や通常の保育所では預かれない子どもを保護者の自宅で保育する居宅訪問型保育などの地域型保育を創設し、待機児童問題の解消へ身近な保育サービスを提供できるようにした。


新制度スタート後、全国では地域事情や個別の事情に応じた新たな保育サービスが展開されている。フローレンスが開始した障害児訪問保育アニーもその一つ。障がい児保育の新サービスとして注目されている。


障害児訪問保育アニーでは、子ども・子育て支援新制度の地域型保育事業における居宅訪問型保育を利用し、東京都新宿区と豊島区で事業を行う。対象は知的障がいや重症の心身障がいがあるなど通常の保育所に通うことが難しい、医療ケアが必要な子ども。料金は新制度の認可を受けたことで認可保育所と同様に保護者の年収に応じて設定し、低く抑えた。保育を行うのは、保育士などの資格を持つ保育スタッフで、1日最長8時間の保育を行っている。また、独自に運営している訪問看護ステーションからは看護師の訪問も行っている。

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