eコラム「北斗七星」

  • 2015.05.28
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年5月28日(木)付



かつてはペンだこのある手で原稿用紙に何度も書き直しながら作成していた記事も、今はパソコンの記事作成専用ワープロが相手。そのためか、読むことはできても、すぐには書けない漢字が多くなった。つい先日も痛感したばかりだ◆たしかに、コミュニケーション・ツールも今や、メールや携帯電話、SNSが中心。「手書き」の手紙を書く機会は少なくなった。「なんて書いていいか分からないから」「字が下手なので苦手」などと、つい筆無精になっている人もいるだろう◆しかし、手書きの手紙をもらったときのうれしさは格別だ。今年1月まで好評を頂いた本紙連載「心に届く手紙の作法」の筆者、手紙文化振興協会理事長・むらかみかずこさんは著書「できる大人のひとこと手紙」(高橋書店)の中で、手書きの手紙の魅力を「うれしさやなつかしさなど、いろんな感情が沸き起こり、相手との心の距離がぐっと近くなる」と記している◆さらに、手紙を書くときに文章を考えることで言葉のセンスが磨かれるだけでなく、「相手を思いやるのはもちろんのこと、自分自身の成長にもつながる」とも◆口べたでも大丈夫。長文を書く必要もない。「いつもありがとう」「お大事に」「また会いましょう」などと、ひとこと手書きで、相手に自分の思いを伝えたい。(翼)

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