e"ゲリラ豪雨"へ備え強化
- 2015.06.08
- 政治/大阪
公明新聞:2015年6月5日(金)付
冠水時、車の進入防ぐ
アンダーパス(立体交差の道路)に「エアー遮断機」
大阪・豊中市
大阪府豊中市は今年5月から、アンダーパス(鉄道などの下をくぐり抜ける道路)が冠水した際、車が進入して水没する事故を防ぐため、バルーン状の遮断棒で通行を止める「道路交通用エアー遮断機」の試験運用を行っている。ゲリラ豪雨等で突発的に冠水が発生した際、警察や消防が駆け付けるよりも早く道路を封鎖できるとして効果が期待されている。
センサーと連動し遠隔操作
30秒で通行止め
今回、エアー遮断機が設置されたのは、同市稲津町を通る市道が阪急電鉄と交差するアンダーパスの入り口付近。併せて冠水状況をチェックするための監視カメラも取り付けられた。冠水センサーが水深20センチを計測した時点で、遠隔操作により、設置された収納箱から長さ3.5メートルの遮断棒が空気で膨らみながら出てくる仕組みだ。30秒ほどで仕上がる遮断棒は蛍光素材で、中央に大きく「冠水通行止め」と表示されている。
市によると、冠水対策として、2013年3月までに市内の全4カ所のアンダーパス入り口に、「冠水通行止め」を示す電光掲示板と回転灯を設置したが、同年8月の集中豪雨時に冠水したアンダーパスに車が突っ込み水没。駆け付けた市職員が車に乗っていた人を救助する事故が発生していた。
その後、市はさらなる対策を検討した結果、今回のエアー遮断機の試験運用を決めた。道路維持課の担当者は「電光掲示板と併せ、物理的に遮断すれば効果があるのでは」と期待を寄せる。
公明が対策をリード
試験運用後、残る3カ所にも設置へ
アンダーパスの冠水対策については、公明党の弘瀬源悟市議が強く推進してきた。08年に栃木県で起きたアンダーパスでの水没による死亡事故を受け、弘瀬市議は同年12月の定例市議会で冠水情報を示す電光掲示板の設置を主張。また13年、市内で起きた先の事故直後の9月議会で、遮断機の設置を訴えていた。
市は今後、遮断棒の耐久性や効果などを調査し、有効と判断すれば、残る3カ所にも導入していく方針だ。