e「包括ケア」確立が重要
- 2015.06.08
- エンターテイメント/情報
公明新聞:2015年6月6日(土)付
団塊世代の高齢化に備え
井上幹事長
公明党の井上義久幹事長は5日午前、国会内で記者会見し、民間の有識者会議が、全ての団塊の世代が75歳以上となる2025年に、全国で介護施設が約43万人分不足するとの推計を発表したことに触れ、この対策として「住み慣れた地域で医療や介護、生活支援などを一体的に提供できる『地域包括ケアシステム』を確立していくことが大事だ」と力説した。
特に東京都と埼玉、千葉、神奈川の3県で25年に不足する介護施設が計13万人分に上るという試算については「東京圏として深刻に受け止める必要がある」と述べ、「団塊世代の生き方として、元気なうちから地方移住を選択し、地域の中で新しいコミュニティーをつくることも選択肢の一つではないか」と指摘。
一部自治体が、地方創生の観点から移住者の受け皿づくりに取り組んでいることなどから、「今後は東京圏と地方の連携が非常に大事だし、受け皿づくりを国が積極的に支援することも、政策的に必要になってくるのではないか」と語った。
また、各種法令の成人年齢のあり方を検討する党プロジェクトチームの議論がスタートしたことを踏まえ、民法の成人年齢を引き下げる議論については、「法制審議会で18歳に引き下げるべきとの答申も出されているから、方向性としては十分考えていい」と表明。少年法の対象年齢引き下げには、「あくまでも更生を目的とした少年法の趣旨に沿って、極めて慎重に検討すべき」と述べた。
平和安全法制「違憲ではない」
72年政府見解と論理的整合性
4日の衆院憲法審査会に参考人として出席した憲法学者3氏が「平和安全法制」の関連法案を「違憲」と指摘したことに対し、井上幹事長は大要次のような見解を述べた。
一、憲法9条は具体的、明示的に自衛措置としての武力行使の限界について示しておらず、最高裁も示していない。これまで国会の議論とそれに基づく政府見解で示す形で定着してきた。特に1972(昭和47)年の政府見解がその基本になっており、72年見解との論理的整合性や法的安定性というものを十分に配慮した上で、(憲法9条の下で許容される自衛措置の)新3要件を定めた昨年(7月1日)の閣議決定になった。
一、その閣議決定に基づいて政府が法案を国会に提出している。政府は法案の前提である、これまでの考え方を明確に、明快に説明してもらいたいし、説明する責任がある。(政府・与党として違憲ではないという見解は)全く変わらない。平和安全法制特別委員会で、そういう議論は積極的にやってもらい、政府として、国民がしっかり理解できるようにするのが一番いいのではないか。