e女性の力で 社会が変わる

  • 2015.06.19
  • 情勢/社会
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公明新聞:2015年6月19日(金)付



活躍推進法案 今国会実現へ

党女性委員会 高木美智代副委員長に聞く



4日の衆院本会議で全会一致で可決され、参院に送付された女性の活躍推進法案。今国会での成立に向け、公明党女性委員会の高木美智代副委員長(党内閣部会長)に同法案のポイントを聞いた。


管理職登用など目標設定



子どもを生んでも 職場復帰しやすい環境に



―どんな法案か。


高木美智代副委員長 女性の力を最大限発揮できるようにすることは、豊かで活力ある社会の実現に不可欠です。働くことを希望する女性の活躍を推進するため、具体的に社会環境の整備を推進する法案です。


「世界経済フォーラム」が発表した2014年の各国男女平等度ランキングで、日本は142カ国中、総合順位が104位。先進7カ国では最下位です。意思決定の過程での女性の参画が遅れています。


政府は、20年までに指導的地位に占める女性の割合を30%に拡大する目標を掲げています。法案では政府が定める基本方針と行動計画策定指針に基づき、国や地方自治体に加え、民間事業主にも女性の採用比率、労働時間、女性の管理職登用率などの数値目標を盛り込んだ行動計画を策定し、公表を義務付けています(300人以下の民間事業主は努力義務)。


―なぜ数値目標を設定するのか。


高木 女性を管理職に登用しようにも、採用の時点で女性比率が低く、第1子の出産で約6割が辞めてしまうこと、配置・育成に男性と格差があることから、該当者が少ない。こうした現状を改善するためには、長時間労働の是正や多様な勤務形態の導入、また、男性の家事、子育てへの参画促進や意識変革が求められます。こうした取り組みに関して各事業主に高い意識を持ってもらうためにも、数値目標を定めることが必要と考えます。


特に、妊娠・出産が業務に支障を来すという理由でのマタニティー・ハラスメント(マタハラ)の防止も急務です。国はマタハラの原因となり得る職場における「性別役割分担意識」の見直しなど職場風土改革に関する取り組みも行動計画策定指針に盛り込みます。


さらに、取り組みが優れた企業などには政府として優良認定を行い、政府調達の際、受注優先などの特典を与えます。


これらの取り組みが進むことで、働く女性の活躍が促され、社会の意識変革が進みます。地域のコミュニティーなどでも活躍の場が広がることが期待されます。また、農林水産業、土木、学術研究などの分野でも女性の活躍を後押ししていきます。


―公明党の取り組みは。


高木 党女性委員会は昨年5月、政策提言「女性の元気応援プラン」を策定し、政府に提言。昨年6月には、すべての女性が活躍できる社会環境の整備を推進するため、「女性活躍推進加速化法案」を提出し、今回の法案に大きく反映されました。昨年10月には提言を受け、安倍晋三首相を本部長とする「すべての女性が輝く社会づくり本部」も立ち上がり、政策パッケージを発表しています。


国会での議論では、マタハラ防止策を盛り込むことや、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現など、より女性の人権に配慮し、女性が活躍する基盤づくりに政府が力を入れるよう訴えています。

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