e参院選挙制度改革 「1票の格差」 早急に是正せよ

  • 2015.06.24
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年6月24日(水)付



参院選挙区の「1票の格差」を是正する選挙制度改革は待ったなしの状況だ。


今国会で選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられたが、肝心の選挙制度がいまだに定まっていない。一刻も早く参院の格差を是正しなければならない。


最高裁は、2010年、13年選挙の最大格差がそれぞれ5.00倍、4.77倍だったことに対し、いずれも「違憲状態」の判決を下した。「都道府県」単位を維持した選挙区では、憲法が要請する「投票価値の平等」に応えられないことも指摘している。もはや、現行制度のまま次期選挙を実施することは許されない。


参院は、12年11月に成立させた選挙区の「4増4減」法の付則に「16年選挙までの制度の抜本見直し」を盛り込んだ。自ら決めた責務を果たさないのであれば、「良識の府」は看板倒れとなろう。


13年9月以来、参院各派は実務者、代表者協議を35回以上も続けてきたが、議論は平行線のまま打ち切られた。打開に向け、山崎正昭参院議長は、各会派間で協議し、民主的な手続きにのっとり法制化作業を進めるよう要請。これを受け、自民、公明の与党両党は協議を重ねてきたが、自民党は具体案をまとめるに至っていない。


司法の要請に対して、立法府が責任を持って結論を出さなければ由々しき事態だ。合意形成を急ぐ参院公明党は、これまで掲げてきた「11ブロック制」に固執せず、格差を「2倍未満」とする合区案も検討する方針に転じ、今月15日には、隣接する20選挙区を合区して10選挙区に再編、格差を2倍未満の1.95倍に抑える改革案を提示して、各会派に検討を求めている。


こうした提案を受ける形で、交渉会派の5会派(自民、民主、公明、維新、共産)は22日、幹事長レベルで協議を再開。自民党総裁でもある安倍晋三首相も同日の参院決算委員会で「早急に結論を得るべく、(自民党が)一丸となって努力を重ねていく」と表明した。


新制度の導入に際しては、有権者への周知徹底が必要となる。来夏の参院選まであと1年前後に迫った。公明案を弾みにして、参院は早急に成案をまとめるべきだ。

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