eコラム「北斗七星」

  • 2015.06.26
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年6月26日(金)付



平和安全法制の関連法案が審議入りして約1カ月。国会での憲法学者の「違憲」発言などもあって、国民の間には「憲法違反ではないか」などとの疑問の声が根強い。25日からの延長国会で、政府・与党はあらためて丁寧に説明し、疑念を晴らす責任がある◆憲法は自国を守るための武力行使を禁じていないが、他国を守るための武力行使は認めていない。この政府解釈の論理の根幹は、新法制でも何ら変わっていない◆関連法案が憲法の範囲内に収まったのは、他国を守るための武力行使はできないように、公明党が与党協議を通じて「新3要件」という歯止めをかけたからだ。憲法学者の浜谷英博氏も憲法学の立場から「日本にとっての自衛措置であることが新3要件で明確に示されており、憲法の枠組みを逸脱していない」(本紙24日付)と明言している◆野党側は、新法制では"他国を守るための武力行使ができるようになる"から「違憲法案」と繰り返す。これでは、議論が入り口でつまずいてしまう◆延長後初の衆院特別委員会がきょう開かれる。「与野党いずれの安保政策が国家・国民の安全にとって有益か、国民は政策的リアリティー(現実感)の競い合いに注目している」(浜谷氏)。憲法の平和主義の下で、国民の安全を守るために何ができるのか。本筋の議論が必要だ。(辰)

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