eTPP交渉加速を歓迎
- 2015.06.29
- 情勢/国際
公明新聞:2015年6月27日(土)付
コメなど重要5項目 国会決議守り配慮せよ
記者会見で井上幹事長
公明党の井上義久幹事長は26日午前、国会内で記者会見し、環太平洋連携協定(TPP)について、米議会が交渉妥結の前提となる大統領貿易促進権限(TPA)法案を可決したことで、7月中にも大筋合意に達する可能性が出てきた点に触れ、「交渉加速に向けた動きを歓迎したい」と評価した。
この中で井上幹事長は、TPP交渉妥結で「世界の貿易額の3分の1を占める巨大な自由貿易圏が誕生し、わが国にとってもメリットは大きい」と力説。また、「日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)や、日中韓を含む16カ国による東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉への弾みにもなる」と強調し、アジアの成長を取り込む日本の成長戦略に好ましい影響をもたらすとの考えを示した。
また、TPPが実現すれば、安い農産物などが多く輸入される見通しであることから、政府に対して「詰めの交渉に当たっては、国内への影響も十分に配慮すべきだ」と指摘。特に、コメなどの重要5項目の再生産が国内で可能になるよう配慮を求めた国会決議を「順守して粘り強く交渉してほしい」と要望した。
一方、企業が内定者を囲い込むため、就職活動を続けないよう圧力をかける「就活終われハラスメント」(オワハラ)について、職業選択の機会を奪う観点から懸念を示し、「企業側は大学生に圧力と受け止められかねないことを自制すべきだ」と訴えた。
政府に対しても、オワハラに遭ったと感じる学生に大学の窓口に相談するよう呼び掛けるとともに、就職支援サイトに協力を要請するなど十分な対応をとるよう求めた。
安倍晋三首相が今夏に発表する予定の「戦後70年談話」については、「今後の日本の進むべき方向性が示されるのであれば、政府・与党の政策の方向性にも関係してくる。(政府・与党で)一定のコンセンサス(合意)があってもいいのではないか」と述べた。