e「水素社会」へ取り組み加速

  • 2015.06.30
  • 情勢/社会
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公明新聞:2015年6月30日(火)付



政府が普及目標 燃料電池を車や家庭に 

公明 北九州「水素タウン」視察



工場で製造した水素を、パイプライン(配管)で市街地に燃料として供給し、商業施設や公共施設で利用―。北九州市にある「北九州水素タウン」の水素供給方式は、全国初の試みとして注目されている。


水素社会実現への課題を探るため、公明党の若松謙維、竹谷とし子、河野義博の各参院議員は29日、党北九州市議団(吉河節郎団長)、成尾信春・鹿児島県議と共に同水素タウンを視察した。


市水素社会創造課の田原温課長は「水素の燃料利用は、二酸化炭素の排出削減や、高いエネルギー効率を実現できる」と説明。若松氏は「一般家庭でも活用できるよう支援していく」と応じた。


若松氏らは、党福岡市議団(黒子秀勇樹団長)と「福岡市中部水処理センター」も訪問。下水を処理する際に出る汚泥から水素を製造する世界初とされる取り組みを調査した。


「究極のクリーンエネルギー」と言われる水素は、酸素と化学反応させて電気をつくることができるため、地球温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)も発生しない。


政府は昨年6月、水素を日常的に利活用する水素社会の実現に向け、「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を策定。2040年ごろまでの水素の利用や製造など各段階における産学官の取り組みを示した政府のロードマップで示す目標【表参照】。


ロードマップでは、累計で12万台販売されている家庭用燃料電池(エネファーム)の拡大や、「究極のエコカー」と称される燃料電池車(FCV)の普及などに伴う目標を定め、現在数千億円規模の水素・燃料電池関連の市場を30年に約1兆円、50年に約8兆円に拡大することをめざしている。


すでにFCVの普及などに向けた官民の取り組みも全国各地で進んでいる。例えば、東京都はFCVを20年までに都内で6000台普及させる目標を掲げ、今年から個人や事業者に対する購入費の補助を始めた。


大阪府では今年1月、府内の産学官で構成する「おおさかFCV推進会議」で水素ステーションの整備計画を策定。FCVの普及加速に備え、現在は府内1カ所にとどまるステーションを17年度までに9カ所に広げる目標を掲げている。


公明党は今月4日、政府に提言した成長戦略の中で、エネファームやFCVの導入促進とともに、業務用燃料電池の利用拡大などにつながる取り組みを進めるよう主張している。

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