e安保環境どう変化?
- 2015.07.14
- 情勢/国際
公明新聞:2015年7月14日(火)付
軍事技術が飛躍的に向上
北朝鮮の核、弾道ミサイル
日本の安全脅かす
問い
「平和安全法制」の整備が必要な理由として、安全保障環境の変化が指摘されています。どう変わったのか教えて下さい。
(神奈川 M・H)
答え
日本の安保環境の変化については、7月8日の衆院平和安全法制特別委員会で公明党の北側一雄副代表の質問に対し、中谷元防衛相が具体的に答えてます。
その中で日本の安全保障上の差し迫った脅威として指摘したのが、北朝鮮の弾道ミサイル関連技術が飛躍的に向上している点です。北朝鮮は1980年代に射程300キロメートルの「スカッド」ミサイルを開発。その後、長射程化を進め、現在では日本全域を射程に収める「ノドン」ミサイル数百発を配備しており、射程1万キロメートルとみられるミサイルの発射実験にも成功しています。狙った目標にミサイルを正確に着弾させる技術も進んでいます。
一方、北朝鮮は2006年以降、3回の核実験を実施しており、これらを踏まえると核弾頭の小型化を実現させている可能性も排除できません。
また、こうした弾道ミサイルの関連技術は北朝鮮にとどまらず、グローバルに拡散しており、いまや国家のみならずテロリストなどの非国家主体への拡散も懸念されています。
近年では、他の軍事技術についても一層の高度化が指摘されています。例えば、中国による次世代戦闘機や対衛星兵器など、先端技術を用いた装備品の開発のほか、北朝鮮による他国の装備を基にしたと見られる多連装ロケット弾や対艦ミサイル、無人機などの開発も挙げられています。
こうした状況を踏まえると、日米同盟の一層の実効性向上が必要です。今回の平和安全法制の整備を通じて、日本防衛の切れ目のない体制を構築することにより、日米同盟による抑止力を高め、紛争を未然に防止することをめざしています。