eコラム「北斗七星」
- 2015.07.15
- 情勢/社会
公明新聞:2015年7月15日(水)付
市長が「震撼した」と振り返った北朝鮮の弾道ミサイル発射実験。2012年に沖縄県石垣市の上空を通過した。当時、大騒ぎになったが、東京在住の身には"震える"ほどの切迫感はなかった◆6日に那覇市で開かれた衆院平和安全特別委員会の参考人会。中山義隆・石垣市長は「北朝鮮のミサイルは現実的脅威だ」と訴えた。同市は国境離島で、尖閣諸島海域では船舶侵入も日常的に起きている。平和安全法制には「抑止力が強化され、大変心強い」と期待を寄せた◆軍事技術が高度化し、安全保障環境は大きく変わった。北朝鮮は日本も射程に収めるノドンを数百発配備し、「核兵器の小型化や弾頭化の実現可能性も排除できない」(中谷元防衛相)◆抑止力向上は、万が一の備えとともに、今そこにある脅威への備えでもある。リスクをあおってはならないが、現実の直視は欠かせない。"憲法違反の法案はいくら審議しても憲法違反"などと反対一辺倒の野党には、現実的脅威の声は届かないのだろう◆同参考人会を傍聴した主婦は「『戦争法案』と言う人もいるけれど、国民を守るための大事な法案。(成立したら)ほっとします」(7日付「朝日」)ともらした。衆院審議は110時間を超えたが、参院での審議も含めて、実の伴った安保論議で法案への国民理解を深めたい。(辰)