eコラム「北斗七星」

  • 2015.07.21
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年7月21日(火)付



今年の夏は、東京でも50年ぶりに"海水浴"が楽しめる。昨年までは、海面に顔をつけないことを条件に、都内のNPOが葛西海浜公園で社会実験を行っていた。今夏はこの縛りが解けて、週末やお盆の時期限定だが、この場所では顔つけができる◆滝廉太郎作曲の「花」の舞台・隅田川。公害が社会問題化していたころは、川面にごみが浮き、臭気を放っていた。都議会公明党が、し尿処理船の摘発をしたのはその頃。以来、時間を掛けつつ、河川は浄化されていった◆時を重ねて今。春は両岸の桜を愛でる人々でにぎわい、大学対抗ボートレースが恒例行事に。ひんぱんに観光船が行き交い、川辺ではのんびりと釣り糸を垂れる人も。そう、夏の風物詩になっている隅田川花火大会は今週末にある。これらは全て、以前に比べ、水がきれいになった恩恵である◆昨年7月施行の水循環基本法は、「水が国民共有の貴重な財産」であることを基本理念に掲げる。人が生きていく上で欠かせない水。将来世代に安心できる水環境を引き継ぐことは政治の責務、与党も野党も関係ない◆未来を展望し、いま成すべきことをぶれずに、着実に実行する。その場しのぎのパフォーマンスが幅を利かす昨今。地道な積み重ねを経て、初めてもたらされる果実があることを忘れてはならない。(広)

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