eドクターヘリなど 操縦士の確保加速化
- 2015.07.22
- 情勢/社会
公明新聞:2015年7月22日(水)付
運航需要急増に対応
若手に飛行機会
志望者向け奨学金拡充も
政府の連絡会議が対策発表
国土交通省などからなる「ヘリコプター操縦士の養成・確保に関する関係省庁連絡会議」は21日、ヘリコプター操縦士の養成、確保を加速化させるための対策を発表した。
近年、公共性の高いドクターヘリ、消防・防災ヘリなど、ヘリコプターの需要が大幅に増え、操縦士不足が深刻化。操縦士の養成・確保が重要な課題となっている。特にドクターヘリについては、公明党の推進で配備が進み、基地病院数は10年間で5倍、運航件数は10年間で7倍と急増している。
一方で、ヘリ操縦士は、過去15年間で約1000人で推移し、ほぼ横ばい。年齢構成においては40代以上が約8割を占め、高齢化も顕著だ。その上、ドクターヘリの操縦士になるには、業界の自主基準である2000時間以上の飛行経歴が必要だが、若手操縦士が担当する農薬散布などの仕事が減っていることから必要な飛行時間を確保することが難しい。そもそも、ヘリ操縦士の資格は現在、民間養成機関でしか取得できず、1000万円以上の高額の学費・訓練費が必要で、志望者数は伸び悩んでいる。
今回、発表された対策では、ドクターヘリなどの操縦士になるために必要な訓練を行うプログラムを新たに策定。効果的に若手操縦士に経験を積ませる仕事の割り当て改革などを関係省庁で進めていくこと決めた。また、ヘリ操縦士の資格取得のための奨学金制度拡充や、志望者のすそ野拡大へ広報活動の強化も盛り込んだ。
公明の主張で省庁連携が実現
これまでは公明党は、「救える命を救う」との観点から、ドクターヘリや消防・防災ヘリの全国配備を推進。その中で、操縦士不足という課題が浮き彫りとなり、国会質問などで一貫して操縦士の養成・確保を訴え続けてきた。
今回の関係省庁連絡会議は公明党の質問で実現。今年2月の参院代表質問で公明党の山口那津男代表が、ヘリを使用する関係省庁の連携が不足していることを指摘し、「縦割り行政の弊害を打ち破って、国として継続的養成の仕組みを確立すべきだ」と強く主張。新規操縦士確保策の必要性を訴えた。
さらに、3月の参院予算委員会では、西田実仁参院幹事長がヘリ操縦士不足対策を早急に進めるように主張。太田昭宏国交相(公明党)が連絡会議を立ち上げ、対策を検討すると答弁。党ドクターヘリ・ドクターカー配備推進プロジェクトチーム(PT、桝屋敬悟座長=衆院議員)も政府に操縦士の拡充を訴え続けていた。