eコラム「北斗七星」

  • 2015.07.23
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年7月23日(木)付



1964年の東京オリンピックには、開会式と閉会式で国名の異なった参加国がある。アフリカのザンビアだ。英国保護領「北ローデシア」として大会に臨んだが、閉会式当日の10月24日に英国から独立、現在の国名になった◆これに前後して、周辺国も次々に旧宗主国からの支配と決別している。サハラ砂漠以南に位置するこの地域(サブサハラ)の国の多くは、70年代までに国連に加盟し、国際社会へのデビューを果たしていく◆貧困や飢餓の撲滅、乳幼児死亡率の低下などを2000年に採択した、国連のミレニアム開発目標の期限が今年で終わる。目標の一つだった1日1.25ドル(約155円)未満で暮らす極度の貧困人口の半減(90年比)は達成できた、と国連の報告書は伝えている。しかし、サブサハラ地域では、大きな成果が得られていない◆国連加盟国は、9月の総会で16年から30年までの新たな長期開発目標を策定し、採択する予定である。そのための資金調達に協力することを今月開かれた国際会議で合意した。今度こそ、と願わずにいられない◆5年後のあす24日、東京オリンピックの開会式が行われる。国内の準備作業は今後、本格化していく。しかし、日本が途上国の課題解決に向けて存在感を増すことも、立派な「おもてなし」ではないだろうか。(明)

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