e来夏参院選 2合区導入へ

  • 2015.07.29
  • 政治/国会

公明新聞:2015年7月29日(水)付



「10増10減」格差3倍
改正公選法が成立


参院選挙区の「1票の格差」を是正するため、憲政史上初めて合区を導入する改正公職選挙法が、28日昼の衆院本会議で可決、成立した。選挙権年齢の「18歳以上」への引き下げとともに、来年夏の参院選から実施される。=関連記事


改正法は「鳥取・島根」「徳島・高知」を合区した上で、北海道、東京、愛知、兵庫、福岡の定数を各2増、宮城、新潟、長野を各2減し、選挙区定数を全体で「10増10減」する内容。最大格差は2010年の国勢調査を基にした試算で2.974倍だが、今年1月1日現在の住民基本台帳では3倍を超える。また、付則には次々回の19年参院選に向け、「選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得る」と明記された。


公明党は本会議の採決で、格差是正が不十分だとして反対した。


反対の理由について公明党の井上義久幹事長は、本会議に先立つ党代議士会で、選挙制度は「投票価値の平等」を求める憲法上の要請に応えるべきだと力説。その上で、「1人2票を持たないことが憲法上の要請で、この案では格差是正が不十分だ」と強調した。


一方、同日午前の衆院政治倫理確立・公職選挙法改正特別委員会で、公明党の佐藤茂樹氏は「ひとまずの格差縮小にとどまることなく、抜本改革案を引き続き議論すべきだ」と訴えた。


抜本改革 今後も議論 山口代表


公明党の山口那津男代表は28日昼、国会内で記者団に対し、改正公職選挙法の成立により来年夏の参院選挙制度が決まったことについて、大要、次のような見解を述べた。


一、立法府として議論を重ね、合区を容認した上で「1票の格差」を縮める結果を出したことは、一定の評価をされてしかるべきだ。しかし、投票価値の不平等を解消するには至っていないと考える。改正法の付則に、2019年通常選挙に向けて(選挙制度の)抜本的な見直しをすることがうたわれている。そのこと自体、今回の改正法が抜本改革には少し距離があることを自ら認めている。


一、従って、この付則に基づき今後も抜本改革に向けた議論をしていきたい。参院としても真摯な努力を続けていくべきだ。


一、(来夏参院選に向けた取り組みについて)制度が確定したので、わが党として党勢拡大のために議席を最大化できるような取り組みを検討したい。

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