eコラム「北斗七星」
- 2015.07.31
- 情勢/社会
公明新聞:2015年7月31日(金)付
高知県室戸市の「室戸世界ジオパーク」で今月中旬、4年に1度の認定再審査が行われた。世界遺産とは違って、対象地域の保護や観光、産業、教育、住民への普及など活動の継続性が確認できなければ、世界認定が取り消されることもあるだけに注目された◆同市の人口は1万5000人弱。「日本創成会議」によると、2040年に消滅の可能性が高い3番目の市とされる。世界ジオパークの認定は、市の命運をかけた取り組みで3度挑戦し、2011年に勝ち取ったものだ◆再審査では2人の外国人審査員が、室戸岬でのガイド活動や、4月にオープンしたジオパークセンターを視察。県立室戸高校の生徒が「ジオパーク学」の授業内容を紹介し、観光ガイドの会を代表して公明党の堺喜久美市議も英語でプレゼンテーションを行った◆終了後の記者会見では、審査員がこうした現地の活動を高く評価。「ガイドのレベルは高く、室戸ジオの住民参加は世界的な例になる」と絶賛し、将来的にも大きな期待を寄せた◆地域活性化の有効性が認知され始めたジオパーク活動は急速に広がり、世界ジオパークネットワークはユネスコの正式プログラムとしても検討されている。「持続可能な地域発展」という理念で大きな可能性を開く活動は、今後も重要性を増すに違いない。(祐)