e夜間中学 既卒者受け入れ
- 2015.07.31
- 情勢/社会
公明新聞:2015年7月31日(金)付
公明提案で文科省が通知
学び直しの場を拡大
文部科学省は30日、不登校などで中学校の授業を十分に受けられなかった人の「学び直しの場」を確保するため、すでに中学を卒業した場合でも夜間中学で受け入れるように求める通知を全国の都道府県と政令指定都市の教育委員会に出した。
これまで文科省は、こうした既卒者の夜間中学への再入学を明確にしていなかったため、現在、全国8都府県に31校ある夜間中学は既卒者の再入学を認めていない。
夜間中学は、戦中戦後の混乱で義務教育を修了できなかった人や外国人を対象に開設され、昨年5月時点では1849人(うち外国籍1498人)が在籍している。近年、不登校などで中学に満足に通えなかった人が大人になり、学び直しを希望するケースも出ている。
今回の通知では、不登校や虐待などで中学校の授業の大部分を欠席し、実質的に義務教育を受けていない人の入学を認め、書面上で十分な出席日数があっても保健室登校などで授業を受けられなかった人も入学可能とした。
手続きについては、入学を希望する夜間中学や所管している市町村の教育委員会に相談。教育委員会は相談者の出身中学での就学状況を調べた上で、入学の可否などを判断する。
今回の文科省通知は、今年3月の衆院予算委員会第4分科会で公明党の国重徹氏が「一定日数以上の出席がない場合は形式的な卒業と判断し、公立夜間中学校への入学許可を与えるべきだ」と訴えたことが実ったものだ。
公明党はこれまで、関係団体などと連携し、一貫して夜間中学の支援強化に取り組んできた。
昨年10月の衆院文科委員会では、浮島智子さんが「各都道府県に一つ以上設置すべきだ」と要望。文科省は、今年度から未設置道県が夜間学級を設置するための調査を行っている。