e参院選挙制度 「10増10減」で来夏実施

  • 2015.08.03
  • 政治/国会

公明新聞:2015年8月2日(日)付



抜本改革へ議論継続 初の合区導入も格差3倍
公明が「2倍以内」案提出で行き詰まった議論を打開


都道府県を単位としていた参院選挙区の「1票の格差」を是正するため、「鳥取・島根」「徳島・高知」の2合区を柱とする改正公職選挙法が、7月28日の衆院本会議で成立しました。来年夏の参院選から適用されます。


改正法は、初めて合区を導入するほか、北海道、東京、愛知、兵庫、福岡の定数を各2増、宮城、新潟、長野を各2減して、選挙区定数を全体で「10増10減」します。


ただ、最大格差は依然として約3倍となることから、公明党は衆参両院の本会議で、格差3倍の「10増10減」案には「是正が不十分」との理由で反対しました。


参院選挙区の「1票の格差」をめぐって最高裁は、2010年と13年の参院選をいずれも「違憲状態」と指摘。格差を是正しないまま16年選挙を行えば、次こそ「違憲・無効」と判断される可能性がありました。このため、参院の各会派は13年9月から、選挙制度改革について協議を開始。30回以上も議論を重ねましたが、成案を得ることができませんでした。


膠着した議論を打開するため、公明党は当初提案していた全国11ブロックの大選挙区制をいったん棚上げし、次善の策として10合区で格差「2倍以内」とする案を国会に提出しました。


「公明党が思い切った案を国会に出した」(田中善一郎・東京工業大学名誉教授)ことで議論が進み、来年の参院選まで1年のタイミングで改正法が成立するきっかけとなりました。


また、付則には次々回の19年参院選までに、「選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得る」と明記されました。公明党はこの付則に基づき、今後も抜本改革に向けた議論を続けていく考えです。

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