eコラム「北斗七星」
- 2015.08.05
- 情勢/社会
公明新聞:2015年8月5日(水)付
変わるものでないが「暑い、暑い」とでも言っていないといられない盛夏。こんな時は会社の帰りにビアガーデンで一杯という人も多いはず。ただし、上司や先輩の皆さん、酒の無理強いには十分注意を◆というのもアルコールは体内に入るとアセトアルデヒドという毒となる。この有毒物質は動悸、頭痛、吐き気といった悪酔いを引き起こす元。同物質は体内から分泌するALDH2という酵素が分解し、酢酸と水になり体外に排出されるが、問題は日本人には同酵素がまったく働かない人が1割、わずかしか働かない人が3~4割いて、こういう人は毒が体内に残り苦しい思いをすることになる◆飲めない体質は遺伝で、飲み慣れれば酒に強くなるというものではない。酵素がまったく働かない人に酒を飲ますのは毒を飲ませているのと同じということになる◆人は両親から同酵素の遺伝子を一つずつ受け取り生まれてくる。それが++なら酵素は十分働き、──ならまったく働かず顔が真っ青になる。+─の人は飲むとすぐ赤くなるタイプで酵素がわずかしか働かない◆先月、お花見で大量の酒を飲み急性アルコール中毒で死亡した大学生の両親が、同席していたサークル仲間を告訴した。アルコールは楽しく飲みたいが、危険性も十分認識して飲まなければいけない。(爽)